日本=6852島。秘境と絶景にあふれた島々たち!!
こんにちは、ドクターリトーです。
今回は少し話のスケールが大きくなりそうなのですが、日本という国のあり方を考えてみたいと思います。
もちろん、切り口は「離島」からです。
◾️「離島」から日本を考える
離島の衰退・・・及び人口減少が止まりません!
本土においても人口は減少しているのですが、離島においては遥かに昔から人口は減少し続けています。
昭和30年から平成22年までの推移を振り返ると、日本全国の人口は約4割増加している一方、離島地域の人口は5割以上も落ち込んでいます。
そして以前は社会的な人口減(移住や転出などによる)が多かったのですが。近頃では自然的な人口減(出生数の減少と高齢者の死亡による)と差がなくなってきています。
つまり離島においてはかつては本土に転出していく人口は多かったのですが、まだ人口を生み出していくだけの力がありました。
しかし現在では離島の人口における生産力が弱まり、離島の基礎的な体力が落ち、そして高齢化が著しく進んでいるということです。
実際に離島の高齢者率は現在33パーセントに達しており、本土よりもかなり高くなっています。
◾️50年前から始まっていた「人口減少社会」
離島地域においては50年前から既に人口が減少し始めていました。まだ本土は人口問題などほとんど考えられていなかった頃です。
最近になって日本全体においては人口減少が大きく問題視されるようになりましたが、離島においては、半世紀も前から人口は減少し続けてきたのでした。
離島の視点から考えると、「何を今更」といったところでしょうか。
そして約50年後の現在、本土も含めた日本全体においても、人口が少しずつ減り始めました。
離島は自らの人口を減らしつつ、本土に人口を供給し続けてきましたが、その本土においても人口が減っているという訳です。
◾️日本全体の将来を暗示する離島の現状
私には、日本の離島たちがこれまで長い間に渡って辿ってきた道筋は、後に本土の辿ることになる道筋を暗示していたように思われます。
社会的な状況の変化というものは、小さくデリケートな共同体にいち早く発現しやすいので、小さな土地である離島における社会構造の変化というものは、日本の国全体の社会構造の変化をかなり早期から示している可能性が高いからです。
高齢化率の上昇、人口減少による社会の活力の低下。第一次、第二次産業の衰退。そして第三次産業への大幅なシフト。
本土が今まさに経験しているものを、離島はかなり昔から経験し続けてきたのは確かです。
◾️離島は活力を取り戻せるか
ただ離島に社会構造や在り方の変化がいち早く発現するということは、逆に言えば離島が活力を取り戻すことも本土に比べれば遥かにスピードが速く、一度勢いが出てしまえば何とかなる可能性も高いと思います。
そして離島が活力を取り戻せば、それがヒントになりやがて大きな共同体である本土にも波及していく。そういうこともあるのではないでしょうか?
現に色々な策を講じて離島が活力を取り戻した事例もあると聞きます。また後々触れていきたのですが・・・。
色々な意味で、離島は時代の先端にあると言えるかも知れません。
◾️フロンティアの土地、離島
離島というところは、可能性に満ちたフロンティアの土地だと、私には思われます。まさしく多様性を生み出す、日本列島の重要な場所です。
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そこで、私たちは離島に対する一般的な見方を変える必要があると、思うのです。
◾️本土偏重主義
日本に暮らす大多数の人々の心には、意識無意識を問わず「本土偏重主義」というべき考え方が根強くあるように思われます。
本土偏重主義とは、「日本とは本州、北海道、九州、四国の四つの大きな島のことであり、その他の島々は後進的でかつおまけのような従属的存在である」とでもいうべき考えです。
この考えはあまりにも一般的すぎて、気がつくことも場合によっては難しいかも知れません。
何故なら大多数の人は本土に生まれ育ち本土で暮らし、離島に関わることは非常に少ないからです。
私も離島の魅力に気がつく以前は、まさしくそういう考え方の持ち主でした。離島の豊かさを知りませんでしたから。
◾️海に広がる国、日本
この考え方は、「日本」を捉える視野を狭くします。
日本に対して、陸に閉じた自閉的なイメージを抱きやすくさせます。
海まで含めた日本という国の「面としての広がり」、すなわち「海を活用する海洋国家・日本」という視点を見えにくくさせるということです。
離島が衰退したということと、近頃の日本の内向き志向と言われるものと無関係ではないと、私には何となく感じられます。
海を見なくなる時に、日本人の思考は内向きになる。そう思います。
即ち外海に散らばる離島たちの存在感が低下することで、日本の「海」というフィールドが見えにくくなっているのではないでしょうか。
日本が縮こまってしまったような、そんな感じです。
日本を包むようにして外海に散らばる離島が弱まってしまうことで、日本の海外に対する発信力や受信力も同時に弱まってしまう。そう思います。
◾️島々の連合国家?
私は、「島々の連合国家、日本」という見方を採用するべきだと思います。
島々の連合国家とは「日本とは、本土四島とそして数多くの離島たちが織り成す、全てが島々から成る複合的な国家である」という見方です。
そこでは離島は、決して本土に従属的な地位を強いられる訳ではありません。
それぞれの離島が、一つ一つ個性を持つかけがえのない島として、ブランド力を持ち、存在感を示している。
そして新しい可能性を模索している。有効な「価値」を生み出している。
そして生産力の高い本土四島と連携を取りつつ、日本という島国を共に盛り上げていく。
そんなイメージです。そして、それが日本、および離島のあるべき姿であるとも私は思います。
その考え方を採用すれば、日本は今よりも遥かに広がりと多様性を持った国、海に広がっていく国として捉えられるし、離島が輝くことで、実際に今よりもさらに奥行きのある豊かな国になるはずです。
そして離島の輝きが、本土にも波及していき、本土の各土地も本質的な豊かさを増していく。物の見方ひとつなのですが、まず日本という国家の捉え方、「離島、および日本の在り方に対する意識」を変えることが重要であると思われます。
本土偏重主義 → 島々の連合国家、日本 のような感じで。
◾️実際に「離島」に足を伸ばしてみよう!
そして離島に対する意識を変えるのは、本土に住まう人間にとっては、実際に多くの離島に旅をすることで身体で感じることによってでしょう。
もうひとつの日本を知っていくプロセスと言えましょうか。
それに、本土の人間が離島に足を運ぶという行為自体が、離島にお金を落としたり、離島に人の賑わいができたりと、離島のためになります。
そして離島の魅力や多様性に触れた本土の人々は、日本という国をより深く知っていくことになるでしょう。
そういう訳で、離島の魅力をまず文筆をもって発信し読者の方々を島旅へとお誘いしてみたいなと思います。