まさに沖縄の秀吉!琉球王国第二尚氏の開祖、尚円王の伊是名島へ行く!!
こんにちは。ドクターリトーです。今回の記事では、沖縄本島から近い離島、伊是名島(いぜなじま)について扱いたいと思います。伊是名島は琉球王国の尚円王(しょうえんおう)ゆかりの島で、昔の伝統が今でも息づく島です。
【伊是名島情報】
《アクセス》運天港からフェリー乗船 詳しくは→http://vill.izena.okinawa.jp/izena/access
《宿泊》民宿、旅館、ホテルあり
《食事》勢理客集落にある米麺を使った「太陽食堂」がおすすめ!! 他にも食堂あり。食事には困らないでしょう。
◾️伊是名島
伊是名島は、沖縄本島北部沖に位置する離島です。沖縄の北部には、伊是名島の他に、伊平屋島(いへやじま)、伊江島(いえじま)という島もあります。「伊」が名前の先頭についている島が多いのですが、理由はよく分かりません。
ほぼ円形をした、シルエットの整った島です。そして周囲は美しい珊瑚礁で囲まれています。私は先日この島を訪れたのですが、気に入ってしまったというか、非常に心地よく、面白みのある離島でした。
◾️フェリーいぜな尚円
伊是名島へ行くには、沖縄本島の運天港(うんてんこう)から「フェリーいぜな尚円(しょうえん)」に乗る必要があります。
「尚円」とは、琉球王国の第二王朝の初代の王、尚円王(しょうえんおう)のこと。この伊是名島は、尚円王の生誕した島なのです。そういう訳で、伊是名島においては尚円王は特別な存在として扱われています。フェリーに描かれているのも、もちろん尚円王のシルエット。非常に威厳があって格好良いです。
フェリー尚円は、尚円王生誕600年に当たる2015年に合わせて建造された新しい船です。内装も非常にデザインが良く実に快適な船です。伊是名島へと到着する前から楽しませてくれます。
フェリーの中にも、こちらは幾分フレンドリーな印象の尚円王。尚円王が伊是名島でどれほど愛されているかが良くわかります。
◾️RPGのような島の風景
伊是名島に到着すると、島内にはのどかな風景が広がっています。伊是名島は農業も盛んな島ですが、大自然も多く残されています。この景色など、ロールプレイングゲームの舞台のようではないですか? モンスターが飛び出してきそう。
実に美しい海!!
伊是名島は珊瑚礁に囲まれた、実に海の美しい島です。
手前に見えるのは屋那覇島(やなはしま)。昔は人が住んでいましたが、今では無人島になっています。
水平線の向こうに、かすかにとんがった地形が見えると思うのですが、こちらは伊江島。とんがった地形は、伊江島のシンボル、「タッチュー」。島の中央にそびえる尖った山です。遠く離れた伊是名島からも見えるとは、すごいです。
◾️陸ギダラ、海ギダラ
こちらの海には伊是名島の名所の一つ、「陸ギダラ」と「海ギダラ」がそびえています。「ギダラ」とは、崖、岩という意味の方言。陸にある岩山が陸ギダラ、海の中にある岩山が海ギダラです。この二つのギダラはどうもセットの扱いになっているよう。
陸ギダラ
海ギダラ
写真で伝わるかは分かりませんが、二つともそばで眺めると実に存在感を放っています。それぞれ陸と海の怪物みたい。
◾️島のヒーロー、尚円王
いよいよ、尚円王について。
こちらは、尚円王御庭公園にある、尚円王の銅像。フェリーに描かれていた絵と同じポーズを取っています。槍も片手に持すえ、実に格好良い。
この銅像の尚円王は沖縄本島を指差しているらしいです。伊是名島から、いよいよ沖縄本島へ向けて旅立とうとしている姿を表現しているのでしょうか。前途に広がる希望に燃える、若き尚円王。
◾️農民から琉球国王に上り詰めた
尚円王は、若き頃の名を金丸(かなまる)と言いました。金丸は普通の農民の子でしたが、仕事に精を出す好青年で、島の女子からも人気が高かったと言います。そのために金丸は嫉妬を買い、伊是名島から追放されることになったとか。
24歳の時、金丸は妻と弟を連れて、沖縄本島へと向かいます。そして琉球王朝に仕えるようになり、有能さと人望を買われ、異例のスピード出世を遂げ、ついに貿易長官という要職にまで上り詰めます。
金丸は一度は公職を離れて隠居したのですが、やがて琉球王朝の内部抗争が起こります。人徳のある金丸を国王にして混乱を収めようという動きが広がり、金丸は国王に推挙されました。
ついに金丸は56歳の時、琉球国王となったのでした。そして尚円王と名乗ります。農民が国王になるという、豊臣秀吉ばりのサクセスストーリーが沖縄にもあるのですね。尚円王、実に壮大な方であったに違いありません。
◾️水が枯れない「逆田」
こちらは、尚円王が若かりし頃耕作したとされる、田です。
王様が耕した伝説の田んぼですので、現在でも稲作が行われています。稲作の盛んな伊是名島にふさわしい風景でもあります。
王様の田んぼは、「逆田(さかた)」と呼ばれています。なぜ逆田と呼ばれているのか、それはこの田にまつわる不思議なエピソードが残されているからです。
尚円王の耕作した田は、どんな干ばつの際にも決して水が涸れることはなく、いつでも豊かに水をたたえていたと言います。ある時、妬ましく思った下の田を耕す者たちが水が下に流れるように畦を切って開いたところ、翌日下の田には水はなく、やはり尚円王の田だけが水をたたえていました。「これは水が下から上に、逆さに流れたのではないか」と思った島の人たちは、「逆田」と呼んだということです。
◾️尚円王通水節(かいみじぶし)公園
さて、尚円王の銅像が島にはもう一箇所あります。それは尚円王通水節(かいみじぶし)公園です。
この公園は尚円王生誕600年に当たる2015年に作られた、非常に新しい公園です。こちらの尚円王は、なんと馬にまたがっています。
こんな公園です。
この銅像の尚円王は後ろを振り返っています。尚円王に視線の先には、勢理客(せりきゃく)の集落があります。
勢理客の集落は、今でも古い建物が残る素敵な集落ですが、かつては島の若者たちが仕事を終えた後、夜に集まるスポットであったらしいです。尚円王は朝になって恋人の女性と別れた後、名残惜しむように集落の方角を眺めているという姿を表現しているそうです。楽しそうで羨ましい笑 ドクターリトーとしては、こちらの銅像の方が好みかも知れません。
◾️太陽食堂
さて、その 勢理客の集落ですが、最近伊是名島の新スポットというべき、「太陽食堂」という食事処がオープンしました。外装も洒落ています。
◾️伊是名の古米を使った「米麺」
この太陽食堂では、伊是名島のお米を使った「米麺」を使った料理を食べることができます。伊是名島はお米の生産が盛んな島なのですが、規格外の不良米などはこれまで売り物にならないので廃棄されていました。その廃棄されていた米を利用して作られているのが、この太陽麺なのです。そういう意味でも、話題になっています。
こちらは、塩辛のペペロンチーノ。米麺なので、歯ごたえがなかなかあり、そして腹持ちします。
こちらは、肉味噌豆乳麺。本当に美味しかったです。なにしろ、美味しいので二日連続で行ってしまったくらいですから。伊是名島を訪れた際には、是非足を運んでください。
伊是名島の記事、まだまだ続きます。次は伊是名島の海、そして集落の魅力について。
→http://ritou-navi.com/2016/04/27/shoen3/