小笠原諸島,  日本の果て

まるで御神体!岩のような最南端の島、沖ノ鳥島を夢見て。九州ー沖ノ鳥島ーパラオは海嶺で繋がっている!?

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、日本最南端に浮かぶ小島、沖ノ鳥島(おきのとりしま)について扱いたいと思います。最近世界遺産で福岡の沖ノ島が有名になりましたが、あれとは別です。要注意です・・・笑

 

◾️沖ノ鳥島

 

 

この上の写真は、見慣れた人も多いのではないでしょうか?

とても奇妙な風貌。これは島か?という感じ。

私はこの写真を見るたびに、なんだか笑いがこみ上げてきて困っています。こんな島、地球上に他にありませんよ!!

 

 

しかしこれは、正確には島ではありません。

実は沖ノ鳥島の本体は、この防波ブロックに囲まれた中にあり、それはこちら!!

この水の上にちょこんと顔を出しているのが、沖ノ鳥島です。これは島!?

これでは、人間が上に乗ることすらできなさそう。この「北小島」と、もう一つ「東小島」の二つがあります。いずれも満潮時にはわずかに海の上に顔を出す「岩」です。

限りなく岩に近いですが、ありがたいことに国際社会からは無事に「島」として認定してもらっています「世界一小さい島」として、ギネス認定もされているとかいないとか。

 

◾️沖ノ鳥島の成り立ち

 

 

上の写真は、グーグルアースでの沖ノ鳥島マップ。これを見ると、あれっさっきと違う、広いやんーと思えそうですが、沖ノ鳥島は結構広いとも言えます。

 

 

沖ノ鳥島はサンゴ礁が隆起して出来た島なので、先ほどの岩の周りには、結構広大なサンゴ礁ゾーンがあります。このサンゴ礁は南北1・7キロ程度、東西4・5キロ程度の広がりがあります。

このサンゴ礁も島に含めるなら、沖ノ鳥島は結構大きいんです。干潮時には一部が干潟のようになって、あたりには平地が広がるそうです。

でもだいたい海の中に沈んでいるので、「満潮時に海の上に顔を出している」という島の定義に照らし合わせると島とは言えません。その定義を満たすのは、「北小島」と「東小島」の二つだけです。

 

 

なぜこんな不思議な形状の島が出来たのか。気になってきますよね?

もともと沖ノ鳥島のあるところには火山島があったのですが、火山島はプレートの動きで地盤地下してしまいました。その上にサンゴ礁が形成されて、沖ノ鳥島が出来たのです。だから真っ平らな訳です。

沖ノ鳥島の周囲にはすぐに数千メートルの深海が横たわっていて、本当に沖ノ鳥島の部分だけが盛り上がっているという、奇跡の島なのです。

 

◾️広大な排他的経済水域を生み出す、小さくても偉大な島

 

 

このように沖ノ鳥島はとても小さい島なのですが、日本にとってはとても重要で価値の高い離島なんです。というのも、日本の最南端に位置していて、広大な「排他的経済水域」を生み出してくれるからです。

よく知られている話ですが、排他的経済水域とは領土の周りの200海里(370キロ)までの海域を自由に開発したり、漁場として利用したりすることができる取り決めのことです。

 

沖ノ鳥島一島だけで、約40万平方キロに及ぶ莫大な排他的経済水域を持っているのです。これは日本の陸地面積38万平方キロを上回る広さ。そのことを考慮すると、沖ノ鳥島の偉大さが分かる気がします。

 

◾️まるで御神体!

 

 

この莫大な排他的経済水域は沖ノ鳥島が生み出しているものなので、沖ノ鳥島が海の中へと完全に沈んでしまえば、すっかりなくなってしまいます。

 

そして沖ノ鳥島は消滅していく危機の最中にありました!

沖ノ鳥島はフィリピンなどと同じ熱帯地域にある離島で(日本で熱帯に位置する唯一の場所が沖ノ鳥島)、台風が毎年大量に通過します。それに波も強いので、沖ノ鳥島の岩はどんどんと侵食されていっていたようです。

 

そこで1988年から、国は沖ノ鳥島の岩を守る措置を取り始めました。岩の周りに防波ブロックを置いて、コンクリートで固めて波の侵食を防ぎ始めたのです。

 

 

この鉄壁の守られよう。これならば、太平洋の荒波にも無事に耐えることができるでしょう。

 

まるで神社で祀られている御神体の岩のような扱いです!

 

これはある意味その通りで、この小さな岩が40万平方キロに及ぶ日本の海を生み出してくれているのです。まさに日本にとっての神岩と言えるでしょう。

末永く大切にお祀りしなくてはなりません。注連縄とか紙垂(しで)とか巻いておくのも良さそう。

 

 

こんな感じで。・・・これは冗談ですが。

 

◾️九州・パラオ海嶺

 

 

沖ノ鳥島は本土からあまりに遠すぎて、親近感が湧きにくい面は確かにあるのですが、実は九州と沖ノ鳥島は「海嶺」で繋がっているんです。

 

海嶺とは、海の中の山脈のようなもの。陸だと山の嶺にあたるところです。海の中にあるから「海嶺」です。わかりやすいですね。

 

グーグルアースなどで確認するとよく分かるのですが、九州南端から海嶺が伸びていまして、その延長上に沖ノ鳥島は同じ海嶺にあるんです。そしてそのさらに先にはなんとパラオがあります。上のスクリーンショットを見てもらうとわかりやすいかと思います。これを「九州・パラオ海嶺」と呼ぶそうです。

 

そう。沖ノ鳥島は、この九州・パラオ海嶺の中で唯一海の上に顔を出した偉大な島なのです!

 

このことを知ると、九州、沖ノ鳥島、パラオが親類のように思えてきて、親近感が湧いてこないでしょうか? 同じ海嶺を戴く島々として。

 

 

同じような構造の海嶺が近くにありまして、こちらは、伊豆諸島、小笠原諸島、マリアナ諸島を繋いでいます。島の数がとても多いのは違いですが。

 

こんな感じで、島々のつながりとして離島を見てみるのも、一つの見方かと思います。

 

いやー、日本最南端、沖ノ鳥島行ってみたいなー!!

 

離島ナビ

http://ritou-navi.com

 

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