「行けない」からこそ惹かれる島々。清水浩史「秘島図鑑」のご紹介!
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、離島に関する面白い書籍があるので少しばかり紹介したいと思います。
その名も「秘島図鑑」。清水浩史という人の著作です。
◾️秘島図鑑とは?
「秘島」とは、普段聞きなれない言葉ですが、どういう意味でしょうか?
本のカバー内側にちょっとした解説が載っていまして・・・
◉リモート(遠く離れた)感がある(絶海の遠隔感)
◉孤島感がある(比較的小さな面積で、周囲に陸地や島がない)
◉もの言いたげな佇まい(島の姿、形が個性的なもの)
◉行けない。島へのアクセスがない(一般の公共交通機関がない)
◉住民がいない(島に住所を有する人・住民票を置いている人がいない)
◉知られざる歴史を秘めている(忘れてはいけない小さな島の物語)
といった特徴が「秘島」の性質だそうです。まあ色んな意味で「秘められし」島といったところでしょうか。
本では、日本の「秘島」たちについて、それぞれ解説がされています。
◾️なぜ「秘島」になるの?
秘島ということは、やっぱり「行けない(容易には行けない)」という条件が一番大きいのですが、どうして行けないのでしょうか?
理由は色々ありまして
◉普通の定期航路がない(南鳥島とか、トカラ列島の無人島とか多数)
◉他国に占領されている(北方領土、竹島)
◉アメリカ軍の軍事施設がある(沖大東島、硫黄島)
◉島というか「岩」(孀婦岩、ベヨネーズ列岩)
◉噴火している(かつての三宅島、小笠原の西ノ島)
◉というか、そもそも存在していない架空の島(南波照間島、中ノ鳥島)
などです。
◾️行けないからこそ惹かれる!
私は全国の島を色々と数多く回ってきましたが、「行ける」島のことがだいたい分かってくると、今度は気になってくるのは「行けない」島のこと。
「行けない」というのは、やっぱりロマンですよねー。行けないからこそ、多くの想像の余地があるからです。「行って」しまうと、もうだいたい島のことが分かってくるので、神秘のベールは剥ぎ取られてしまいます。
「行けない」からこそ分からない。分からないからこそ、いつまでも気を惹く存在である。しかし行けないからといって存在しないわけでなく、やはり日本の領土を構成する島々であることには違いないわけです。
「秘島図鑑」は行けない島にスポットを当てた、とても珍しい離島本。行ける島へと旅をするのも島旅ですが、「行けない」島のことをあれこれ想像するのもまたもう一つの島旅。
秘島図鑑を手にとって、居ながらの島旅をするのも良いのではないでしょうか?