日本のナポリ?迷路集落が楽しい保戸島。マグロ遠洋漁業の基地でした。
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、大分県津久見市の離島、保戸島(ほとじま)について紹介したいと思います。保戸島は小さな島ですが、迷路集落やマグロ基地だったり魅力盛りだくさんの島なので、楽しみにしてくださいねー。
◾️保戸島へ向かう
かなり特殊な向かい方だったのですが、私は四国愛媛の八幡浜から大分に上陸しました。その際には、宇和島フェリーに乗りました。その名も「おおいた」という船。新しくてデザインも鮮やか。乗り心地がとても快適でした。
そして、大分にフェリーが着いたのは、こちらの臼杵(うすき)という街。臼杵磨崖仏が有名な場所です。
臼杵の「すき」と「好き」を掛けた面白い表示板もありましたよ。
ここから津久見へと電車で向かい、ようやくフェリーに乗ることができます
小さな保戸島に似つかわしい、小型の高速船でした。時刻表など詳細はこちらをチェック→http://www.city.tsukumi.oita.jp/soshiki/10/176.html
◾️日本の「ナポリ」?
そしてようやく辿りついた保戸島には、想像を超えた絶景が待ち受けていました!!
狭い平地にところ狭しを軒を並べる三階建ての、それも鮮やかな色合いの家々。そして港には多くの小型漁船の姿が。
この保戸島の特徴的な集落は、イタリアのナポリの街並に似ていることから、「日本のナポリ」なんて名誉な称号を与えられていたりするそうです。確かに地中海を思わせる光景です。
狭い路地は、いかにも離島チック。迷路探検にも最適。
なぜ保戸島に三階建ての建築が多いのか。それは島が狭いことにも拠るのですが、この島は経済的にかなり豊かだからということもあります。この保戸島は、マグロの漁船基地として長く栄えてきました。
いまでは、隻数はかなり減ったそうですが、マグロ漁は盛んなようです。最盛期は、ミクロネシアの島々にまではるかに出撃したそうです。
この豊後水道の片隅から、ミクロネシアですよ? ちょっと信じられないくらい。
◾️階段を登って、集落探検!
港からの景色でわかるように、保戸島の集落はかなりの立体的。坂の上に向けて街が延びています。さっそく冒険していきましょう!
ちょっと上ると、こんな感じで街並みが見渡せるように。夕方なので、夕日が美しい。
道すがら、窓が破壊され、中が丸出しのまま放置された廃墟も見かけました。何か棲み着いていそうで、恐ろしい限り。
集落の頂上あたりまで登りきってしまうと、集落全てが見渡せるスポットへと行き着きました。
港、船、そして向こう側には墓地までも見渡せ、実に壮観ですなあ。
神社へと向かう階段。ここで転げ落ちたら、きっと大変なことになるでしょう。
神社の鳥居。由緒正しさが伝わってきます。「加茂大神」とあります。島の人に聞いたところでは、京都から神を招いて建立した神社なのだとか。
坂道のガードレールに沿って、昆布を干す風景。有効活用されています。
一周して、再び港のそばまで降りてきました。
離島特有の荷台付き三輪車の姿が!! 車がない島では、こういうのが役立つそうです。
謎の井戸。お供えものまであり、ホーリースポット感が濃厚に漂っています。井戸って、神秘的ですよね。
島ではかつては貴重な存在だったことと思います。
◾️島唯一、山内旅館に宿泊
今回保戸島には一泊したのですが、泊まったのは山内旅館という旅館。驚くべきことに、島唯一の旅館です。
昔は数軒あったらしいのですが、今では保戸島最後の旅館になってしまったそうです。山内旅館もそう遠くなく廃業するという噂もあるので、保戸島で泊まるなら今のうちですねー。
島で唯一の旅館になりましたが、競合がなくなったから手を抜かれることもなく、食事はとても豪華で素晴らしいものでした。感謝感激でした!
こちらは、保戸島の名物料理「ひゅうが丼」です。
ゴマ、生姜を添えて味醂漬けしたマグロをご飯の上に乗せていただくという、シンプルな料理。でも抜群に美味いんです。
こちらは、「こわた」と言われるもの。マグロの内臓らしいです。
地味な料理ですが、とても美味しいです。日本酒が合いそう。保戸島、マグロづくしです。
◾️朝の保戸島散策
次の日の早朝、外に出てみると・・・小雨が降り、島全体が霧に包まれていました!
昨日とは見違えるような光景に驚くばかり。天気は景色を変えるということが、実感されます。
この保戸島は漁業が盛んなだけあって、猫が多い島でした。民家の軒先は猫だらけ。
島の人からは、二三匹連れて帰ってと言われる始末。それくらい、あちこちで猫を見かける島です。
島の高齢者の方と朝話す機会があり、いろんな情報を得ました。
・マグロ漁船は、30年前は150隻→現在17隻(激減!)
・20年前は沿岸でも良く釣れたが、今はからきしだめ(海が汚染されたのか)
・島には若い人がいない。だいたい60代が多い
この保戸島も、全国の離島を蝕む「無子超高齢化」に悩まされていました。「少子高齢」以上で、子供はもはや存在せず高齢者だけが暮らすという意味で。
この島もやがては無人島になってしまうのでしょうか。結構心配です。
保戸島、魅力が満載の島ですので、是非とも一度足を運んでみてください。絶対面白いですよ。
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