天然記念物シラタマモ大池は素敵!徳島牟岐沖の小さな漁師の島、出羽島。
こんにちは、ドクターリトーです。
今回の記事では、徳島県は牟岐(むぎ)町の出羽島(てばしま)について取り上げたいと思います。
出羽と書いて、「てば」と、不思議な読ませ方をします。普通「でわ」と読むんでないかと思うのですが。なんだか、鳥の手羽先みたいですねー。手羽先島。
それはさておき、徳島はとにかく離島が少ない都道府県なので、出羽島の存在は貴重です。
◾️津波に襲われてきた町、牟岐町
出羽島へと向かうためには、牟岐町から船に乗る必要があるので、ついでに周辺を歩いてみました。すると、目に付いたのは、こちらの碑文。なんと「南海地震津波最高潮位」と記されているではないですか!!
近頃、南海沖トラフ地震という言葉をよく耳にしますが、似ています。
こちらの記念碑によると、昭和21年、そして江戸時代の安政時代にも、大きな津波がこの牟岐町に襲いかかったようです。牟岐町は四国の太平洋側に位置する町なので、太平洋からの津波の影響をもろに受ける宿命を負っているようです。
過疎化が進む中、次の南海トラフ地震の際、この町は耐えられるのでしょうか。そして立ち直ることができるのでしょうか?
まだ確定した未来ですらないのに、ひとりで勝手に心配になってきました。この牟岐町は、南海地震において、我々に教訓を与えてくれているようにも思いました。
◾️船に乗り込む、操舵室を覗く。
出羽島連絡船乗り場から、出羽島行きの船に乗り込みます。出羽島は小さな島で、人口もわずか60人程度しかいないため、船は小型でした。
時間が早かったためか、誰もいない操舵室をのぞくことができました。こういう機会を得るのは珍しいです。各種航海に必要な機器がずらりと並ぶ。
舵輪かっこいいですねー。船はこうして現代化されても、舵輪は大航海時代とほぼ同じ風貌をしています。
自分で船を操縦してみたいとふと思いました。いつか、船舶免許、取ろうかなー。
◾️出羽島へ向けて出発!
こうして出羽島へと向けて出発することになりました。いつものことですが、島旅においてテンションが一番上がるタイミングは、島内に着いてからよりも、船が出発して、島影が見えてくるプロセスにあるようです。
旅行自体よりも、それ以前の旅行の計画の方が楽しめるのと、どこか似ている感じがしますね。
太陽が波間を白く輝かせる中、出羽島がさっそく近づいてきました。実に小さな島です。標高はそれほど高くないようです。
◾️出羽島到着、ハイビスカスが咲く島
船はたちまち出羽島に着きました。一見したところ、昔ながらの漁村風景が残るように見受けられます。
出羽神社。名前通り、この島を象徴する神社でしょう。格式高い雰囲気が漂います。
もう11月でしたが、四国の太平洋側で温暖なのか、ハイビスカスの花が咲いていました! 南国情緒がそこはかとなく漂っています。
◾️出羽島一周!
東回りに、出羽島を一周歩いてみることにしました。小さい島なので、そんなに大変ではないかと思いつつ。
途中から山道に入っていき、出羽島の町並みが見渡せるように。通路の狭く建物が密集している、「ザ・離島」とでもいうべき町並み。しかしこじんまりとしていて、綺麗な風景ですねー。
町を過ぎ、南側の森の中へと入っていきます。楽に一周できるかと思いきや、途中木が倒れ込んでいたりしてかなり難渋しました。この先に知ったのですが、実はこの道は通行止めになっていました。道理で。
途中に森の中で出くわしたのが、こちらの出羽島灯台。
伝統的な雰囲気が残る出羽島では異色というか、かなり現代的な感じがします。浮き上がっているように感じられました。
◾️天然記念物!シラタマモの大池
この出羽島の名物というか、有名なものが、大池という池で見られるシラタマモという藻。
藻というか肩透かしを食らう感じなのですが、ただの藻ではありません。
シラタマモは、なんと一億四千年前、中生代の白亜紀(恐竜時代!)から生息している、歴史の長い藻だそうです。隕石の衝突も乗り越えたとは、相当な生命力を持っている藻なんでしょうね。尊敬します。
森から海側へと下っていき、ひたすら岩場を乗り越え、大池を目指します。この冒険の先に待っているのは、果たしてどんな池なのか、楽しみ。
行く手に現れたのは、こちらの神秘的な池。大池です。
天然記念物が住まうには、いかにもふさわしい場所のように思いました。池の真ん中に生えているのが、シラタマモらしいです。見た目にはただの藻ですが、恐竜時代からの生き残りです。
なぜか、金魚が池の中にいました。しかも一匹だけ。お祭りとかで、捨てられたやつかなー。妙に目立っていたので、鳥に捕食されないことを祈ります。
この大池は、是非とも訪れてほしいスポットだと思いました〜。
◾️再び、町へ!
大池をあとにして、島を一周して再び町へと帰っていきます。
途中で見かけたのは・・・井戸!? 確かに井戸でした。厳重にふたが閉められていて、現在は使われていないようです。離島では水不足になるのが常ですから、昔はさぞ重宝されたことでしょう。
この手押し車も、いかにも離島グッズです。車のない島では、よく使わてていたりします。この出羽島は、やはりいかにも離島という場所ですなー。
◾️タスカルタワー
出羽島の港付近で、ひときわ目を引くのは、こちらの「タスカルタワー」。珍妙なネーミングですが、その名の通り、助かるタワー。つまり津波の際に登ると助かる塔です。
南海地震の津波の最先端で見舞われてきた出羽島だけに、津波対策は万全を期しているようです。そういえば奥尻島に行った時も、同様のタワーがありました。かつて津波に見舞われた地域では、防災意識は高いようです。人間、やはり実際に痛い目を見なければ、本当に危機意識が芽生えることはないということでしょうか、悲しいかな。
◾️漁の島
出羽島は漁が盛んな離島であり、港付近には、ずらりと小型の漁船が並んでいます。
漁の網もたくさん置いてあり、漁師さんたちの姿もありました。港付近にはささやかながら、活気がありました。しかし漁師さんたちが言うには、残念ながら昔よりも魚は獲れなくなっているそうです。そして出羽島では、伊勢エビなどが島の主要漁獲らしいです。
漁師を目指す少年とも出くわし、話しました。出羽島で漁師になるための修行をしているそうな。まだ10代で若いのに、しっかりとされていて、私の方が恥ずかしくなりました。
出羽島、もう一度行ってみたいと思いました。二度行けば、もっと色々とわかりそうです。
過疎化は確実に進行していますが、出羽島が今後どうなっていくのか、楽しみです。
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