船舶関係,  日本海の島

実物大の千石船展示!海の歴史がおおいに残る宿根木集落。佐渡島。

こんにちは。ドクターリトーです。ご無沙汰しております。先日北陸を車で旅してきました。今回の記事では、その時に立ち寄った新潟の佐渡島(さどしま)について扱いたいと思います。

 

■日本最大の離島、佐渡島

 

佐渡島というと、とても有名な島ではないでしょうか?

佐渡島は日本で最大の“離島”です。佐渡島より大きな島は、沖縄本島。でもこれは行政上、“本土”扱いなので、佐渡島が最大になるわけです。面積は約850平方キロ、これは東京23区の1・5倍の面積。人口は5万人もいます!

この規模ではもやは“離島”と表現すべきかどうなのかも微妙ですが、島であることも確かです。大きな島であり、歴史的にも非常に独自性があり、そして自然も雄大であり見どころたくさん。そんな佐渡島を紹介していきたいと思います。

 

■佐渡島に渡る

 

 

佐渡島への行き方ですが、二つの方法があります。新潟港から佐渡・両津港へと向かうか、それとも上越の直江津港から、佐渡・小木港へと向かうか。

私は関西から車で訪れたので、直江津から船で向かいました。

直江津=小木間を現在運航しているのは、“あかね”という高速カーフェリーです。双胴船でとても速度が出ます。2時間弱で両港を結ぶくらいです。内部の装丁も素晴らしいし、まだ新しい。

 

 

しかし天気が悪かったせいもあり、非常によく揺れました。おかげで久しぶりの船酔いする始末。船員さんが優しくて、マットの上に寝転ぶことを提案してくれました。椅子のポシェットにエチケット袋も入れてあったし、これは普段から酔う人が多いのでしょう。実際に、良く揺れるので島民の方からは不評も出ているそうです。

近頃、観光客減少、そしてコロナにて佐渡汽船の経営は悪化の一途をたどっているそうです。そしてなんと“あかね”も売却することになったのだとか。佐渡島は日本一大きな島ですが、人口減少や航路の維持に悩まされているところは、全国の島々と共通しているようです。

 

■千石船の展示

 

 

佐渡島に到着すると、酔いも醒めぬまま、島の観光へと赴きました。まず訪れたのが宿根木(しゅくねぎ)のあたり。

ここは小木港から近く、千石船や古い歴史が残っている魅力的なエリアなのです。

こちらは、千石船展示館。江戸時代の回船に使われた千石船を展示しています。

 

 

中へと入ると、仰天!!

なんと1分の1サイズ。つまり実部大の船がそのまま展示してある博物館なのです。

ちなみ江戸時代に造られた千石船そのもの・・・という訳ではなく、現代になってから当時の流儀に乗っ取って再現したものです。正確に造っているそうなので、ほぼ当時の船に近いものになっていることでしょう。当時の保存ではなく、現代に再び作り直したというところが、より価値が高い感じがします。

 

 

昔の大工たちは、船を造る前に、その十分の一の模型をまず製造する習わしであったそうです。こちらがその模型。

こちらも現代に造られたものです。製作工程から模倣するとは、本格的でありますよね。

 

 

階段を上って二階の後方部から眺めた船。船のお尻側です。船尾に舵がついています。そして舵のまた大きなこと。写真の左側に人の姿が見えるので、ちょうど比較になってよく分かるのではないでしょうか。千石船というのは、とても大きな船であることが分かります。

 

 

北前船の主要港を記した地図。北前船は日本海を北陸から畿内、江戸に向けて運航された船。普段とは逆さまに描かれた日本地図を眺めると、新鮮に感じます。しかしこれが、北陸を視点にした世界観。現在の太平洋側中心の世界と、江戸時代の世界観はきっと異なっていたことでしょう。

 

■船内にも入りましょう

 

 

一分の一の実物サイズなので、この千石船は船内にも階段を昇って入ることができるのです。

 

 

内部は部屋のようになっています。

 

 

こちらは下に降りて、船倉の近く。こうして船の中を歩き回っていると、まるで本物の船乗りにでもなった気分。

 

 

船底には、米俵がありました。「千石船」というくらいですから、お米を乗せて運んだわけです。船倉に米俵がさぞぎっしりと積まれていたことでしょう。

 

■岩屋山石窟

 

 

千石船博物館の後は、少し歩いて、“岩屋山石窟”というところに。秋らしく、彼岸花の生えた田んぼと畦道が麗しいです。

 

 

こちらの岩屋山岩窟。仰々しい柵が設けられ、少々おどろおどろしい雰囲気にも感じますけれど、腹を括って中へと入っていきましょう。

 

 

入り口近くには、小さな仏像が山と並べられています。洞窟特有のひんやりとした空気が漂い、秘境感は抜群にあります。

 

 

石窟の壁には、壁画のように仏像たちが彫りこまれています。大分の国東半島でもこんな仏たちを目にした覚えがあります。摩崖仏というものでしょうか。佐渡の長く続く歴史を感じさせるスポットです。

 

■北前船の寄港地、宿根木集落

 

 

千石船博物館から少し西側へと行くと、素敵な街並みの集落が眼下に広がります。宿根木集落。

くぼ地に造られた小さな集落。狭い土地に多くの家屋が設けられているので、家と家の間の間隔が少なく、密集しています。

屋根の上に石ころが置かれているのも見もの。これは嵐や台風が来た時用の対策です。

 

 

階段を下りて集落の内部を歩き回ってみると、非常に風情のある街並みです。通路は石畳。。家々も保存状態が良いです。

離島らしい町並みであると言えますが、よく整えられていて、とても美しいです。よほどこの集落の方々が街並みを愛し、守り抜いているのでしょう。郷土愛がひしひしと伝わってきます。

 

■三角家(舟形の家)

 

 

この宿根木集落の中で、最も有名な家屋が、こちらの三角家だそうです。

狭い土地を有効に活用するために、街に家の形状を合わせたらこうなったそうです。舟の輪郭にも見えます。千石船の寄港地に舟形の家という、なんとも縁深い取り合わせ。

 

 

かと思えば、屋根の下にデザイン性のある軒下の飾りが取り付けられた家も。とても粋ですね。NHKの新日本紀行でも、取り上げられたそうです。

 

 

こちらは、宿根木町並み案内所。ここで、宿根木の情報がよく分かります。

 

 

昔の宿根木集落の空中写真。回りはみんな田んぼだったのですね。宿根木の箇所だけが街になっているのが、興味深いです。

 

 

昔は塩を作って運ぶ上で使われていたという、狭い道。かなりの長さがあり、遥か前方から光が差してくる。幻想的な心持になります。

 

 

この日は、宿根木集落を出た後は、ひたすら北上してその日の宿へ。打ち寄せる日本海の荒波が渋くてとても素晴らしかったことを覚えています。

 

 

宿の近くで眺めた夕日。海辺で眺める夕日は最高です。まさに茜色に輝き、神々しいくらい。

島に来るたびに、海辺で暮らしたくなります。島でなくてもいいので、海辺の町い移住しようかな・・・笑 海を眺めていると、穏やかな気分になります。たまに眺めるからより素晴らしく感じるという事もあるでしょうが。

次の記事へと続く。

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