桜島が島だった、最後の日:桜島
こんにちは、ドクターリトーです!
突然ですが、鹿児島といったら、桜島ですよね。鹿児島市内からもどこからも見える、文句なしの鹿児島市のトレードマークです。形も綺麗な、非常に美しい山です。
◾️桜島
桜島といえば、山の頂上からはいつも煙が立ちのぼっている、バリバリ最前線で現役活躍中の活火山です。
鹿児島市内の温泉が山のようにあるのは、桜島周辺の火山活動が極めて盛んだからでしょう!! また鹿児島市街からは、いつでも桜島が噴煙を上げている様子を見渡すことができます。洗濯物を干していると黒っぽくなるのも、有名な話。
http://www.kairport.co.jp/kanko/kagoshima/play001.php
◾️現在噴火しまくっている桜島
近頃、鹿児島県の桜島の様子に異変があるといいます。桜島の噴煙の量に異変があるとか。
今年2015年の年明けから、幾度も噴火を繰り返しているようです。なんと今年に入ってから600回も爆発的噴火しているとか。
これまでで最も爆発的噴火が多かったのは平成23年の996回らしいですが、それを遥かに上回るスピードです。本当に、桜島大丈夫でしょうか?
このままでは、近い将来に大きな災害が起きるような気がして仕方がありません。
◾️20 世紀まで本当に「島」だった桜島
http://matome.naver.jp/odai/2143009592210325001
この桜島ですが、かつては本当に文字通り「島」だったんですね。今では本土と陸続きですが、昔は本当に、桜「島」だったようです。20世紀に入るまでは間違いなく島でした。
以前疑問に感じていたんですよね。島でもないのに、なぜ「桜島」なのか? 元々島だったのですから、「桜島」というネーミングは元々ふさわしいものだったんです。
http://kamodoku.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-e870.html
これが1902年の桜島周辺の地図です。確かにこの地図から判断すると、陸続きになっていない!!
今大隈半島とつながっているところが見事に切り離されています。楕円形に近い島の周りは、全て海になっています。
ちなみにこちらが現在の桜島です。もちろん大隈半島と連結しています。
確かに言われてみればそうなんですよね。桜島という名前がついているからには、かつては島であったと想像するのが自然でしょう。
桜島であったものが、どこかの時点で島ではなくなった。ややこしいですね笑。
◾️桜島が島でなくなった日
大正3(1914)年、1月12日。
この日こそ、桜島が島でなくなって、東側の大隈半島とつながった、運命の日でした。なんと、ほぼちょうど100年前の出来事なのですね。
この日、桜島が爆発的噴火を起こしました。「大正大噴火」と言います。これは20世紀以降の日本において、国内で起きた最大の噴火でした。
噴煙は8000メートルに達し、大量の軽石が降り注ぎました。そして大量の溶岩が流れ出し、東側の海へと進んでいきました。
大隈半島と桜島の間には、幅400メートル、72メートルもの深さの立派な海峡がありましたが、流れ出した大量の溶岩は距離のある海峡の間を埋め、陸続きにしてしまったのでした。
この大正大噴火では、桜島全体で死者、行方不明者を合わせて50人にのぼりました。被害も甚大だったということです。
噴火の前に地震があり、勘を働かせた島の人々は自主的に避難をしましたが、それでも間に合わなかったのです。
今では速報などが入ってから避難を開始すると思いますが、当時は噴火速報などないですから、自己判断で避難せざるをえなかったのです。それゆえに勘も発達していたのではないでしょうか。
そして「島」としての桜島の生涯も、これにて終了いたしました。これ以降は、半島(?)としての新しい時代が開始しました。
◾️退避壕
http://www.sakurajima-taiken.com/topics/post_62.html
現在、桜島の道路沿いなどにはこういった「退避壕」が所々に設置されています。
桜島が噴火した際、火山弾や溶岩を避けられるようにです。これは、大正大噴火から得た教訓なのかもしれません。
確かにこの待避壕があれば、突然の噴火による災害は防ぐことができそうです。
◾️溶岩ロード
そして桜島と大隈半島がつながった場所には、今は「溶岩ロード」という道路が敷かれています。
私は学生時代、自転車に乗って大隈半島から溶岩ロードを抜けて、桜島を横断して鹿児島市内に入ったことがあるのですが、その時の写真がこちらです。
溶岩ロードは桜島の山麓を通って桜島の西側まで通じているのですが、結構海から高さがあります。
桜島の裾野と、そして遥かに広がる鹿児島湾が同時にうかがえ、景色が非常に良いです。
◾️まだ生々しい噴火の痕跡
背の低いクロマツという松の木などが、島を覆っています。
噴火があってから100年しか経っていないので、普通の山のような植生は、発達していないのですね。
こんな風景もたくさん広がっています。これは溶岩が冷えて固まったものが地表全体を覆っています。噴火の際の様子が窺い知れるようで、生々しいです。
◾️桜島国際火山砂防センター
道路を走っていると、途中でこんな建物を通りかかります。「桜島国際火山砂防センター」という建物で、土石流災害や砂防、そして桜島の歴史や、大正噴火についても学ぶことができる、楽しいところです。
そして桜島を西の端まで抜けると、鹿児島市街へと抜ける港に着きます。
◾️桜島フェリー
これが桜島フェリーというもので、大隈半島と薩摩半島という、鹿児島の二つの半島をつなぐ重要な船です。
10分〜15分おきに運行されていて、しかも24時間運行されているというから驚きです。この船に乗れば、すぐに鹿児島市内に着きます。船がついたら、今度は鹿児島市内を観光しましょう!
◾️噴火に注意しながら桜島へ
是非一度、桜島へと「島(でないかもしれないですが)旅」をしてみましょう。
噴火がどうなるか気にはなりますが、確率的には微小なものなのでリスクは小さいと思われます。
無事を祈っております!!