「島」という漢字は、山の上で鳥が休んでいるのでした。
こんにちは、ドクターリトーです!!
今回は少し変わったテーマを取り上げてみたいと思います。「島」という漢字について。
◾️「島」という漢字
島。音読み:トウ 訓読み:しま
ちなみに「島」は、小学校三年生で習う漢字のようです。日常的に良く使われるし、見慣れた漢字ですね。
普段は皆さまも何気なく使っていると思われる漢字ですが、この漢字の由来について思いを巡らしたことはあるでしょうか?
漢字というものは、総じて「表意文字」らしいです。表意文字とは、「意味」を形や絵にして表したという文字のこと。文字の姿形自体に、意味が込められているらしいのです。
ですのでこの「島」という漢字も、何らかの意味を形にしたものに違いありません。しかしぱっと見ではよく分かりません。
なぜなら、この漢字はもともと存在した漢字を、かなり崩したものだからです。「島」という漢字の成り立ちを探るには、「島」の旧字にまでさかのぼる必要があります。
◾️旧字体にすると成り立ちがわかりやすい
「島」の旧字体はいくつもあるのですが、一番身近なものは、「嶋」です。これは人の苗字などにもよく使われる文字ですね。
左側に山、そして右側に鳥があります。「島」という字は「鳥」という字の部分の「点々」が差し代わっている字体ですが、実は、「山」と「鳥」が組み合わさった字が、「島」という字の元々の由来であったようです。
ちなみにこの「嶋」という字には、さらにもう一つ古い旧字体があるらしく、それは「㠀」という字。
小さくて分かり難いかもしれないのですが、この字は「鳥」が文字の上の部分、そして「山」がその下に位置しています。
◾️山の上に鳥が羽を休めている?
これが、元々の「島」という字の本来のあり方のようです。
「山」の上に「鳥」がいる。つまり、山の上に鳥が休んでいる。
「山の上に鳥が羽を休めている」なんとこれが、島という字の正体なのでした!!
◾️鴨川の「島」?
つまりこういうでしょう!
これは、京都・鴨川沿いの景色。一羽の鴨が、鴨川から突き出た岩の上で羽を休めています。確かに「島」そのものの光景です。
一面水(海)で囲まれているので、鳥たちが休むには、小さな陸地を使う他ない。
島が、他の土地からは海によって切り離されている様子。そして島が航海中の人間に与える安心感(広い海を船で旅をしていて心細いところを、ようやく島を見つけて喜んでいるような)を見事に表している、素敵な漢字だと思います。
◾️やはり漢字の成り立ちには由来があるらしい
普段意図せずに使っている漢字にも、きちんとした由来があるのですね。今後「島」という字を書く時、たまには由来を思い出してやってくださいませ。山の上に鳥、ですね。
さあ、島旅に出ましょう!!