宮古列島,  信仰・伝説・お祭り

宮古島のユタに会って取材して来ました!御嶽と神々の島。

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、宮古島のユタについて紹介したいと思います。

 

【宮古島情報】

《アクセス》東京や大阪から直行便あり。那覇空港からもすぐに行けます。

《宿泊》民宿、ホテル、ペンション、ゲストハウスなんでもあります。私は「七福荘」に泊まりましたが、サービス、食事とも実に満足できました。

《食事》いろいろありますが、ボリュームのある「宮古食堂」がオススメ。

 

◾️沖縄で伝統的に役割を果たしてきた「ユタ」

 

宮古島には伝統的に、霊能力のある人がユタとして、神の意志を伝えるシャーマンの役割を果たしてきました。

 

ユタは未来のことを知ることができたり、また「口寄せ」と言って神様を自分に乗り移らせて、神様の言葉を代弁して話したり、占い、もしくは悪霊の除霊など、様々な仕事を担っています。ちなみに宮古島だけでなく、沖縄諸島、奄美群島と南西諸島の大部分において、ユタはいます。ユタは南西諸島の社会においてなくてはならない存在であるといっても過言ではないのです。

 

そしてユタと言うのは、自分でなろうとしてなれるものではなく、神様に選ばれたらいやでもなってしまうのですね。「召命型シャーマン」ともいうべきものです。

ある人がユタになる時は、錯乱状態になったり、色々と大変な事が起きるらしいです。そして選ばれてしまうと、宿命から逃げることもできません。これは恐ろしいものです。ユタになる過程で経験する特異な神がかりの状態、巫病のことを「かんだぁり」と呼び習わしたりもします。

 

 

◾️ユタ文化の盛んな島、宮古島

 

ユタは南西諸島各地にいるのですが、時代の流れと共に数を減らしています。

 

しかし宮古島は、信仰心が非常に厚い土地であるため、ユタの文化が今でも盛んなのですね。

宮古島はユタ文化が沖縄県でも最も色濃く残る土地です。もっとも宮古島とはユタと言わず、カンカカリャ(神に仕える人)と表現する方が多いのですが。

 

実は私は昨年、ユタに会いに宮古島に行ってきました。

 

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宮古島神社です。

 

◾️ユタに実際に会う

 

実は私は少々文筆をやっていまして、ユタを主人公にした作品を書こうと思ったのです。

ユタを主人公にする以上は、実際にユタに会って取材させていただくのが一番だと思い、お盆の時期に遥々宮古島に行ってきた訳です。

ユタに取材するといっても、誰にコンタクトを取れば良いのか分からず、なんと市役所に電話しました・・・笑

 

するとなんと、市役所の職員の方に対応していただけました。ユタに会うことができると言われました。そして何と宿まで迎えに来ていただき、そしてユタの根間さんという方のところまで連れていってくださいました。

 

◾️まさかの「おとこ」ユタ

 

根間さんはまさかの男ユタ! 私は、少しばかり驚きました。

 

根間さんの家に連れて行っていただいた時に、年老いた老婦人がいらっしゃったのですが、この人がユタかと初めは思っていたのですが、若い方の男性がユタだったのです。そう、根間さんは男ユタだったのです。

 

ユタは、大抵は女性がなるものなのですが、たまに男性もいます。(実は根間さんのお姉さんは根間ツル子さんと言って、この方もまた有名なユタだそうです)。

 

比較的年配の、明るくて親しみやすそうな方でした。そういう訳で、安心することができました。

 

根間さんは、実は大学の先生たちも取材に来たり、シンポジウムに呼ばれるほどの有名なユタだそうです。

 

家では狭いからと言われ、集落の集会所のようなところに場所を移しました。

そこには根間さんの連れの方達もいらっしゃり、なんとご飯とお酒までご馳走になりました。・・・なんとも申し訳ない限り。

 

そしていよいよ、取材開始です。

 

要点ごとに分けて、取材の結果、教えていただいたことを以下にまとめていこうかと思います。

 

◾️根間さんがユタになるプロセス

 

根間さんが、初めて神懸かりを経験したのは、20歳の時。

当時、根間さんは沖縄本島の大学に通っていましたが、神がかりを経験して後、突然宮古島に帰らざるをえなくなったそうです。それは勝手に身体が宮古島を目指すという感じだったと言われました。神様に呼ばれるということでしょうか。

巫病の最中には、わりばしや刃物で自分の手を突き刺すなど、大変なことを当時は経験されたそうな。聞いているだけでも恐ろしい話でした。

根間さんは宮古島に帰ってから、年上のユタに弟子入りしました。すると巫病は徐々に治っていったそうです。神様の意志に叶ったということかも知れません。

 

◾️ユタとしての不思議な仕事

 

1600年頃の戦国武将の供養をさせられたそうです。「させられた」というのは、道を歩いているといきなり白髪の老人(神様の化身だそうです)に出会い、供養をするように仰せつかったからだそうな。

また根間さんは、未来を予知する力があり、イラン・イラク戦争の知らせが神様から来たり、鳥インフルエンザの流行も事前に予知できたそうです。

海の神である龍宮へと祈りを捧げ続けると、宮古島では鳥インフルエンザが流行することはなかったそうな。

本当ならば、すごい話です・・・!!

 

◾️人一人を救うということ

 

人間の運命というものは、決まっているそうです。それは国の運命であったり、世界の運命もしかり。

決まっている運命を変えたければ、多くの神々に働きかけて、神々の力を借りなければなりません。

人一人の運命をを変える、救うためには、非常に多くの神々の力を頼る必要があるということです。

 

◾️辺野古の問題

 

根間さんは、沖縄の米軍基地、辺野古移設の問題にも関心をもっていらっしゃいました。

辺野古の神に問うてみると、小さな神の力では、政治には勝てないと言われているそうな。

この問題を解決するには多くの神の力を借りることが大事だとおっしゃっていました。

戦争につながらない祈りをすることも大事だそうです。

 

◾️本土(ヤマト)と琉球

 

沖縄ではまだユタや巫女の活動が盛んですが、本土においては巫女は本来的な意味においては、息をひそめるか、消滅しています。

その理由は、本土においては信仰の文化がシャーマニズムから仏教に移り変わり、そして経済優先で心の文化が失われたことが原因としてあるそうです。

本土においては先祖崇拝の気風を失っていることも原因としてあるそうです。本土人としては、耳の痛い話にも思われました。

 

◾️神懸かりの状態

 

ユタは神の言葉を伝える役割があります。

その時は、意識が普段の状態から離れ、移り変わっているそうです。いわゆるトランス状態というものでしょうか。

根間さんの場合は、神懸かりの状態にある時も、自分としての意識は残っているそうな。シャーマンの中には、神がかりになっている間、自意識が完全に飛んでしまうタイプも多いので、これはなかなか意外な話でした。

実際に神懸かりの状態を見せてもらうことはできませんでした(根間さんの身内の方がなくなり喪に服していたため)

 

◾️奥深いユタの世界

 

根間さんへの取材は、おおまかにはこんな感じでした。

私には理解することが難しい話もあったのですが、底知れないユタの深い世界。やはり魅力的に思えます。

非常にためになりました。本当には根間さんにはお世話になりました。そして根間さんを紹介してくださった市役所の方や、一緒に取材につきあってくれた方々。宮古島の人々の暖かさをつくづく思い知りました。

 

いくらかでも、宮古島のユタについて、伝わりましたでしょうか?

 

 

よろしければ、同じく宮古島の奇祭、パーントゥ祭りの記事も。まるで熱帯の祭りかと思われる不思議ななお祭りです!http://ritou-navi.com/?p=934 

 

さあ、島旅に出ましょう!!

ritou-navi.com(離島ナビ)

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