北方領土,  日本の果て,  サブカル・映画

北方領土・色丹島の戦後を扱った名作「ジョバンニの島」

こんにちは、ドクターリトーです。

今回の記事では、北方領土の色丹島。そして色丹島(しこたんとう)を舞台にしたアニメ映画、「ジョバンニの島」について扱ってみたいと思います。

 

◾️色丹島

 

色丹島!! それは、北方四島の内、択捉島(えとろふとう)、国後島(くなしりとう)に次いで、面積で見ると三番目に位置する離島です。一番小さい島は、歯舞諸島(はぼまいしょとう)ですね。

 

北方

 

ご覧のような位置にあります。北方領土の中では、ほぼ真ん中あたりの位置取りでしょうか。

 

 

しこたん

 

択捉島、国後島に比べるとだいぶ小さく見えてしまうのですが、色丹島、面積は255平方キロもあります!!

 

瀬戸内海、第二の面積を誇る小豆島が、約150平方キロなので、その大きさが伝わるかと思います。

 

択捉島と国後島が大きすぎるんですよね。択捉島は3166平方キロ。東京都(2188平方キロ)より遥かに大きいです(苦笑) 国後島にしても1490平方キロ。沖縄本島(1206平方キロ)よりも大きいんです。

 

この大きさでは、もはや、離島と呼ぶ気が失せます。やっぱり色丹島くらいの大きさが、離島という感覚にぴったりきます。

 

◾️ジョバンニの島

 

さて、「ジョバンニの島」ですが、このアニメ映画は、色丹島の戦後を舞台にしたものです。

 

Unknown

 

第二次世界対戦中も、比較的平和を満喫していた辺境の島・色丹島には、終戦後、突然ロシアの軍が押し寄せます。

 

そして瞬く間に、島を占拠してしまいました。島の家や建物はロシアに差し押さえられ、ロシア人が住まうようになりました。

 

◾️宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をモチーフにしている

 

images

 

右の子が「ジョバンニ」こと、純平(じゅんぺい)。右の小さい方が寛太(かんた)

 

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の登場人物、ジョバンニをもじって、純平と命名されました。

 

ちなみに「ジョバンニの島」は、銀河鉄道の夜が下敷きになって作られているんですね。そのことが物語に深みを持たせ、幻想的な雰囲気に仕立てています。

 

寛太の方は、同じく銀河鉄道の夜の登場人物、カムパネルラをもじって、命名されました。

 

カムパネルラって、銀河鉄道の夜では川で溺れて死んでしまう子だったはずですが、よくこんな縁起の良くない名前をつけましたね!

 

この物語の中でも、この名前の由来が、寛太の辿る運命を予言しているようです(苦笑)

 

◾️ロシア人との交流

 

純平と寛太が暮らす家も、ロシア人に接収されてしまいます。二人の家族は、離れの小さな建物で暮らすことに。そして母屋の方は、ロシア人家族が使うことになりました。

 

Unknown

 

これが、そのロシア人家族の娘、ターニャです。二人と同い年くらいのはずですが、とても色っぽく描かれています。

 

そして純平たちと、国籍を越えて仲良くなっていくんですね。純平たちは、ターニャの家族の食卓に招かれて、ご馳走になったりします。

 

◾️日本とロシア、中立的に描いている

 

「ジョバンニの島」。北方領土問題を描いた珍しい作品なのですが、北方領土返還運動のプロパガンダとしてのアニメというわけではなく、ロシア人の立場も含めて、非常に中立的に描かれています。

 

島の小学校には、ロシア人の子供たちも通うようになるんですが、別々の教室でお互いの国の歌を、競争みたいに歌うシーンなどもあるんですね。微笑ましいです。

 

そんな感じで、日本人とロシア人が入り混じった状態が、色丹島ではしばらく続くのですが、数年の後、日本人は日本本土に退去させられることになります。

 

退去間際で、色丹島の防衛隊長を務めていた純平のお父さんがロシア兵に連行されたり(後にシベリアに抑留されるようです)、純平とターニャの仲に亀裂が入ったり、大変なことになってきます。

 

◾️北方領土問題を描いた名作

 

 

全部書いてしまうと、ネタバレになってしまうので、是非一度見て下さい。ためになるし、勉強になると思います。

 

北方領土問題の解決には、ロシアの立場を理解することが重要であることにも、思い至るのではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=GUov7pVs46M

 

◾️色丹島に行ってみたくなる

 

そして島の自然の描写が美しいので、この映画を見ると色丹島に行きたくなってしまうかと思います。

 

色丹島、いつになったら返還されるのでしょうか。

 

歯舞、色丹だけなら、いずれ返ってきそうな気もするんですが、離島好きの私としては、一度上陸してみたいと願う限りです。

 

さあ、島旅に出ましょう!!

ritou-navi.com(離島ナビ)

よろしければ、いいね!お願いいたします。

Translate »