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村上武吉の拠点、能島!潮流体験で16世紀の海賊気分に。村上水軍博物館も充実。

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、瀬戸内海は芸予(げいよ)諸島の中心にある、かつての村上水軍の中心地、能島(のしま)とその周囲の潮流、そして大島にある村上水軍博物館について取り上げてみたいと思います。

このあたりは、村上水軍関連史跡の中心地なので、見所が非常にありです。とても面白いので、私としてもとりわけ推したいエリアです。

 

◾️村上水軍の中心地、能島

 

 

村上水軍とは、中世(特に戦国時代)に瀬戸内海で名を馳せた海賊衆。瀬戸内海の大部分を支配して、各地に海の関所を設け、海の秩序を作り上げた海賊です。通航料(帆別銭、ほべちせん)を徴収して、財源としました。

 

「海賊」というと、とにかく略奪に走るイメージがありますが、村上水軍は西洋でいうパイレーツとは根本的に違います。瀬戸内海の秩序を生み出した存在です。

 

村上水軍は一つの水軍ではなく、三つの派閥がありました。来島と能島と因島の三つ。三つとも芸予諸島に属しています。今でいうしまなみ海道沿い。

 

そのうち能島は真ん中にある島です。能島村上水軍は、三つの水軍のうちもっとも自主独立の気風に富んでいました。海賊王として名高い村上武吉(むらかみたけよし)も、能島村上水軍の大将でした。

 

◾️カレイ山展望台より、能島を見渡す。

 

 

伊予大島のカレイ山に「カレイ山展望台」という場所があります。能島を知るに当たっては、まずはここに行ってみるのがおすすめかも知れません。

 

能島はどの島でしょうか? 奥に横たわる大きめの島ではありません。それは鵜島(うしま)。

 

手前の小さな島が能島。そしてその隣のさらに小さな島、鯛崎島(たいさきしま)が綺麗に見渡せます。

 

村上水軍の根拠地というからには、もっと大きな島をイメージしてしまうかも知れませんが、能島はこんなに小さな島です。

 

なぜ村上水軍は、この小島を根拠地に選んだのでしょうか。その理由は、能島の周りの潮流にあります。

 

 

 

 

島の周りに複雑な潮の流れが発生しているのが分かるでしょうか? まるで海の中に川が流れているかのような感じで。

 

この強い潮の流れが、能島を外敵から守る働きをしていたようです。だから小島でも防御力は抜群。むしろ小島だからこそ、守りやすいと言えるでしょう。すごい考えた上に、この海峡の小島が選ばれた訳ですね。

 

 

 

ちなみにこの付近は、潮の流れが速いことで有名で、伯方島(はかたじま)と鵜島の間には、船折(ふなおり)瀬戸という海の難所があります。

 

上の写真の、川が流れているように見える箇所。船が折れるほどに強い流れがあるから、船折瀬戸。怖いですねー。

 

 

 

 

カレイ山には、「瀬戸の水軍」という村上水軍を讃える歌が記された石碑もありました。

 

船の舳先で 盃割って 天がさだめる 命船 戦に燃える 若武者を 守ってくれよと 海の神 五尺五寸の 五尺五寸の 太刀を振る

 

武運長久三島の神社に 祈る勇者の 伊達姿 嵐にむかう 男意気 穢しちゃならぬ 瀬戸の海 天に向かって 天に向かって 矢を放つ

 

時代は流れる 運命とともに かけた命の 男華 波間に散った つわものの 昔を語る 武勇伝 海を見おろす 海を見おろす 夢の跡

 

これは実は、鳥羽一郎という人の演歌だそう。youtubeで聴けるので、関心のある人は聴いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=Ihd-IaOETUs

 

◾️潮流体験をする前に、村上水軍博物館へと行ってみよう!!

 

ちなみに能島は無人島で、普段は船で渡ることはできません(桜のシーズンのみ、渡航可能だそうです)

 

ですので能島を間近で観光するためには、潮流体験に参加する必要があります。

 

 

こちらの、「能島水軍」というお店が船を出して連れて行ってくれます。しかし二人以上参加者が集まらないと船が出ないので注意しましょう。

能島水軍→http://www.noshima.jp/suigun

 

 

潮流体験をする前に是非とも立ち寄っていただきたいのが、こちらの「村上水軍博物館」

 

村上水軍のことなら何でもわかる、便利な博物館です。能島水軍の向かいにあるので、アクセスも簡単です。

 

 

庭には、村上水軍の家紋を模ったモニュメントが埋めてあったり。もう村上水軍一色!!

 

 

来館者八十万人突破したそうです。「村上水軍の娘」はしばらく前にヒットして、空前の村上水軍ブームが起きましたが、その影響でしょうか?? とにかくめでたいことです。

 

 

村上水軍で実際に使われていた船の模型があったり。

 

 

水軍の合戦で使われていた武器たち。

 

 

着用されていた衣類。村上水軍にまつわるあらゆるものが展示されていて、とても楽しい博物館です。水軍好き、歴史好きな人であれば、時を忘れて楽しめるかと思います。

 

◾️いよいよ、潮流体験に出発!

 

 

いよいよ潮流体験に出発です。私はあいにく一人旅で、休日といえども寒いので、他に客は来ませんでした。二時間ほど待っていると、特例で一人で出航していただきました。本当に恩に着ます。

 

 

さっそく能島が近づいてきました。海の上から眺めると、また雰囲気が違います。

 

 

 

 

島のそばに近づくと、逆巻く渦潮が!!

 

 

写真では十分に伝わらないかと思うのですが、すごい勢いです。

この潮流であれば、確かに能島を厳重に守護してくれそう。

 

 

冬の海はとても寒そう。そして海上を吹き渡る風はとても冷たく、めげそうになります。

 

しかしこの景色を村上水軍の人々も日々眺めていたのかと思うと、感動しますねー。気分はまさに、16世紀の海賊気分。

 

 

船なので、伯方大橋を真下から眺めるという芸当もできます。

 

 

橋を下から眺めるなんて、なかなかない機会なので、不思議な気分。

 

 

鶏小島という島にも接近します。穴が空いているのが面白い。

 

潮流体験、魅力が完全に伝わらないのが残念ですが、こんな感じでしたー。

 

とても面白いスポットですので、是非とも行ってみてくださいね。

 

離島ナビ

http://ritou-navi.com

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