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伊豆諸島に北アルプス!?現世離れした天界砂漠・神津島の天上山へ登ってみた。

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、伊豆諸島の神津島(こうづしま)について扱います。神津島の中でも本記事では天上山(てんじょうさん)という島の高地にある浮世離れしたスポットについて取り上げたいと思います。こんなところが伊豆諸島にあるんだーと驚くような場所だったので、楽しみに読んでくださいね。

 

⬛️下田から神津島へ

神津島へと向かうには、色んなルートがあります。

①東京の竹芝港(横浜港)から東海汽船で向かう。

②調布飛行場からプロペラ機で向かう。

③下田港から神新汽船で向かう。

今回は③のルートを取りました。下田自体が伊豆諸島の辺境といえる場所に位置しているので、主要な行き方ではありません。私は下田を訪れてみたかったこともあり、今回の神津島行きはこのアクセス方法を敢えて使ってみました。また下田の方が東京などから行くより、フェリーの乗船時間を遥かに短縮できるというメリットもありますよ!

 

 

下田はかつては一大温泉街として、名を馳せた街。

これまで行ったことがなかったので、どんな街かなーと期待して行ってみると、人通りが少なくかなり廃れていて、かつての繁栄の名残は感じられませんでした。この伊豆半島の先端という首都圏から遠い地勢が現在では不利になるのかなあとか思いました。しかしペリーロードなど、とても美しい街角風景は健在で、結構歩いていると楽しい街です。伊豆諸島を訪れる前に、ちょっと下田観光というのも乙です。

 

⬛️神新汽船に乗ろう!

 

 

こちらが神新汽船の「あぜりあ丸」。あぜりあとは、フランス語で「つつじ」のことを指すらしいです。フェリーの側面に描かれている花は、つまりつつじということですね!

 

http://www.soumu.metro.tokyo.jp/11osima/flower/k-page05a.html

 

こちらは、「コウヅシマヤマツヅジ」の写真。これから向かう神津島の天上山に五月頃咲くそうです。島を訪れたのは四月なので少し時期がずれてしまいますが、とても可憐な花。

神新汽船からは、伊豆諸島の島々を眺めることができます。

フェリーが停泊するのは、利島ー新島ー式根島ー神津島の4島。だから4つの島は間近で眺めることができるのです。「」津島と「」島を繋ぐので、神新汽船。わかりやすいネーミングですね。

 

 

上の写真は、利島(としま)。伊豆諸島の中でも、一番小さく人口も少ないマイナーな秘島です。

集落がある側からだんだんと標高が上がっていって、反対側は絶壁になっている不思議な地形の島で、写真はちょうど絶壁の部分を撮った感じ。椿の栽培が盛んな離島です。

 

 

利島をすぎると見えてくるのは、こちらの3島。手前の平べったいパンケーキのような島が式根島、右側が新島。そして左側奥が神津島です。重なって見えるのは、3島がお互いに近接しているからです。

 

 

フェリーは利島から回り込んで、ついに神津島に到着!! (利島に最初に寄港する日と神津島に寄港する日が交互のシステムになっているそう)。

とても雄大な印象。離島の第一印象とは、すなわち船で訪れた際の島影に他なりません。それが素晴らしいと、とてもテンションが上がります。島旅では重要な要素だと思います。

神津島には実は約5年前に訪れたので、懐かしく思われました。その時はちょうど雨と強風に見舞われ、それほど観光できなかったのですが。今回はそのリベンジでもあります。

 

⬛️天上山登山、始まる

 

予約していた民宿のオーナーさんに港まで迎えにきていただいたのですが、「天上山に登るつもりです」と伝えると、そのまま登山口に落としてもらえました。「今日は天気が良いので、登るには絶好のコンディション」だとも。

「白島登山道」と「黒島登山道」と二つあるのですが、メジャーな方の「黒島登山道」からトライです。杖など用意してあるので、とてもいたれりつくせり。

天上山。名前はとても神秘的ですが、果たしてどんな山でしょうか。

 

⬛️伊豆諸島の北アルプス?

 

 

さっそく登山開始!

こういった山道が続いていきます。登山道は整備されているので、とても歩きやすいです。そして空が凄まじく蒼いのが、印象的でした。雲ひとつなく晴れ渡っていて。

 

 

山肌は石灰質で地肌が露出していて、背の低い高山植物が生えるばかりです。「北アルプス」を思わせる景色だなあと思いながら登りました。まさか伊豆諸島でアルプスに出逢うと思っていなかったので、とても驚きです。

 

 

ようやく五合目。あと半分頑張りましょう。といっても天上山は標高572mでそれほど高い山ではないので大丈夫です。しかしながら坂道は体感かなり勾配がきついものでした。あまり軽く見ない方が良いかも知れませんね。

 

 

途中、記念の彫刻を見かけました。「一九五九」と書かれているので半世紀以上も前の話。

この彫刻って結構入れるの大変だと思うのですが、そんなに短時間で完成するものなんでしょうかね。あちこちで見かけますが、いつも疑問に思っています。誰か知っていたら教えてください・・・笑

 

 

振り返っても、雄大な景色が広がります。山麓と、遥かに広がる海。まさに「島登山」といった様相。

 

⬛️頂上部到着。そして千代池

 

 

ついに、天上山の「頂上部」に到着しました。敢えて頂上「部」と書いたのは、頂上ではないからです。神津島の高地はかなりの広さの平地になっていて、そこが頂上部にあたります。まあ、台形のような地形と考えると分かりやすいかな。

まさに「天上山」の名にふさわしい、まさに浮世離れした別世界が島の上部には存在しているのでした。島の「下界」からは想像もつかない世界です。山頂はまた別にありますが、後ほど紹介したいと思います。

 

 

これがおおまかな「頂上部」の地形。歩き回るのに二時間は見ておかなければなりません。それくらいの規模があります。

 

 

黒島登山口を抜けて、しばらくいくと行き着くのは、こちらの「千代池」。こんな山の上にも池があるんですね。これもどこかアルプスじみた風景であるように感じられました。「白馬大池」かな笑

 

⬛️表砂漠、裏砂漠

 

 

天上山の中でも特徴的なスポットといえば、「表砂漠」「裏砂漠」という二つの砂漠。

 

 

真っ白な砂地が広がり、本当に砂漠みたいなんです。表砂漠。

 

 

こちらは、裏砂漠。

裏砂漠の方が裏というだけあって、よりひっそりした雰囲気に感じました。もっとも天上山では、自分以外の人間には遭遇しませんでしたが。これほど浮世離れした場所で、人気もないとなると、なんだか本当に「天界」へとワープしてしまったかのようでした。

 

 

 

島の天上にある不可思議な「砂漠」をたっぷりとお楽しみくださいませ。

 

⬛️新東京百景

 

 

天上山には印象的なスポットがまだまだあり、こちらの「新東京百景」も良いです。山の上からなので、伊豆の他の島々が綺麗に見渡せます。天然の展望台のような仕様です。手前の平べったいのが式根島。そして新島、利島。その向こうには伊豆半島。それにしても式根島、まるで押しつぶしたパンケーキのように平たいですね。

次の記事では、合わせて訪れた式根島について取り上げるのでお楽しみに。

 

⬛️不動池

 

 

天上山の中でも、ファンタジーの世界に出てきそうなスポットが、こちらの「不動池」。なにしろ、池の中に小島がぽつんと浮かんでいて、橋が架かっているのですから。

 

 

説明看板によると、『池の中央の祠には、クラカラ剣と石の竜王が祀ってあります』(なんのRPG?)

そして『竜王は鬼気迫るものがあり、島の言い伝えによると「むやみに祠に近づき中を見るべからず」とされています』祠の中を見ると、なんか祟りでもあるのか!? 恐ろしいー。

 

 

人気もなく助けも呼べない天上山上で祟られては困るので、橋まではいきますが、このあたりで引き返すことにしました。単なる迷信かも知れませんが、この異空間に一人佇むと信じてしまいそうにさせるものがありました。

 

⬛️ついに天上山山頂に

 

 

ちなみにこちらが天上山山頂。といっても頂上部の中の一角なのでそこまで他と比べて高いという感じはありません。海上おぼろげに見渡せるのは、三宅島、御蔵島ですねー。神津島からは、伊豆諸島の大部分を見渡すことができます。

 

⬛️下山開始、治山工事跡

 

 

数時間の長丁場に渡った天上山頂上部の散策も終え、いよいよ下山開始です。

帰りは行きとは別の「白島登山口」から下山を試みました。また別の趣向があり、両方利用してみるのがおすすめです。

 

 

しばらく下山どうを歩くと、不思議な風景に遭遇。ここだけ赤みを帯びた地層が露出しまくっています。いったいなんだろう、これ。

これは「治山工事跡」というスポット。

以前は土砂崩壊で村落に災害をあたえていたので、治山工事が長年に渡って行われたそうです。「資材の全てを人力で搬入するという難工事」だったそうです。

美しい天上山ですが、恵みだけでなく神津島には害もかつては与えていたようです。工事の結果今は土砂崩壊もおさまっているようなので、一件落着というところですね。先人の苦労に思いを馳せたいところです。

 

 

下山していくと、天上山のような背の低い植物だけでなく、亜熱帯を思わせる植生が広がり始めました。植生の変化により、下界へと帰ってきたことを実感します。

以上、かなり長い記事になりましたが、神津島・特に天上山についての記事でした。

天上山は、とても離島と思われない北アルプスを思わせる風景や砂漠とも出会える、実に変化と魅力に飛んだ素晴らしい場所です。是非とも神津島にいった際はトレッキングされることをおすすめします。

 

離島ナビ

http://ritou-navi.com

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