船舶関係,  地域支援の取り組み

地球一周の船旅・ピースボートに乗ってきました!船内あれこれレポートと船旅感想(1)

こんにちは、ドクターリトーです。

今回の記事では、「地球一周の船旅」で有名なピースボートに乗船してきたのでそのレポートを書いていきたいと思います。

それまで3度しか海外を訪れたことのなかった私は、極めてドメスティックというか日本密着型の生活を送ってきました。もちろん海外への行き方など分かりませんし、英語も話せません。初めての本格海外進出といってもよい感じ。

ピースボートの船旅は、主に洋上での「船旅生活」と寄港地での「観光旅行」の二つに大別できます。割合でいうと、船旅が8で寄港地観光が2。つまり80%は海の上に滞在、つまり洋上生活だと思って良いと思います。

本記事では主に「船旅編」として洋上での船旅についてシェアしたいと思います。寄港地各地については、「寄港地編」として海外の島コーナーにて記事化します。

 

⬛️なぜ地球一周しようと思ったか?

 

私が乗船したのは、2019年4月出航の101回クルーズ(「五大陸をゆく世界一周グランドクルーズ」)だったのですが、このタイミングで乗船しようと思ったのには二つ理由があります。

①日本から世界に飛び出してみたかった

このブログでもこれまで紹介してきたように、極めて島好きな私は日本中にこれまで夢中で足を運んできました。日本の島旅もそれなりにひと段落ついたところで、世界にも繰り出してみたい。そんな事を考えました。世界の海にはまだ一度も出ていません。インド洋も、紅海も、地中海も、大西洋も、カリブ海も、そして大部分の大西洋も。

➁令和時代を海の上で迎えてみたかった

平成31年は4月30日に終わり、令和元年は5月1日からスタート。そしてピースボート101回クルーズが日本を出発するのは横浜4月20日、大阪翌21日でした。つまり元号の変わる瞬間を海の上で迎えられるということ。こんなことは、滅多にありません。

船内に出会った乗船客に「なぜ地球一周しようと思ったのか?」と尋ねてみる機会も多かったのですが、こういう理由で乗船した人はあまり見かけませんでした・・・笑

「仕事やめて暇だったから」「就活のネタ作り」「就職前に何か大きいこと」

「リタイア後の楽しみ(ピースボート乗船者の7〜8割くらいは実は高齢者)」「人生のリセット」

とか、そんな回答が多かったように思います。

それではこれから、お待ちかねのクルーズの内容自体について色々と解説していきますねー。

 

⬛️横浜港にて、出港式

 

 

横浜港に出航日の早朝たどりつくと、大桟橋に係留されている「オーシャンドリーム号」。

ピースボートというのが船の名前だと思っている人も多いですが、それはあくまで団体名。使用している船舶は名は時により違うのですが、現在の船舶はオーシャンドリーム号と言います。中国語だと「海洋之夢号」という幻想的な名称になるようです。

 

 

出航する時は、ご覧のように色とりどりのカラーテープが投げられ、とても感動的な瞬間です。乗船客が勝手に投げて良いです。

 

 

桟橋の上には、見送りの客たちが大勢押しかけ、手を振ってくれます。

 

 

こうして船の係留が解かれ、徐々に港を遠ざかっています。これからどんな船旅が始まるのかというところですね。

ちなみに出港式は、乗客の乗船地である横浜・大阪の二回当然あるのですが、横浜の方が盛大でした。まあ最初の出発地だし、乗客の数も多いですし。

 

⬛️船内設備あれこれ

 

まずは、気になる船内の様子についておおまかに説明しましょう。

その前にオーシャンドリーム号の基本的なスペックを紹介しますと、

まず船の規模としては、総トン数は35,265トン。全長205メートル・全幅26.5メートル。乗客定員は1442名です。(公式HPより) ちなみに船籍は、パナマ。

これはかなり、というか相当大きいです。

国内で運行するフェリーでは最大規模のおがさわら丸(三代目)が、総トン数11,000トン。全長150メートル・全幅20.4

メートル。定員数892名なので、比較すると大きさがわかると思います。

といっても、クルーズ船の中では、規模が小さい方らしいですが。「飛鳥II」(50,142トン)や外国の船の方が遥かに大きいようです。

まあ船が長期間を通じての住居になるので、これくらいの規模は必要ということでしょう。

 

 

船の通路は、船客はだいたいこんな感じ。この長い通路の両側にずらりと部屋が並んでいます。

ちなみに船室はこんな感じです。私が暮らしていた一番安いの「窓なし バジェット」では、四人部屋で二段ベッドが二つ並んでいます。ベッドのみが一人の空間であとは共用です。

もちろんもっといい部屋もあり、ペア部屋やシングル部屋もあります。一度入れてもらいましたが、遥かに設備は良いです。1日に一度ハウスキーパーが掃除にきます。

ちなみにオーシャンドリーム号は11階まであり、4階がレストラン。5階から10階までが乗船客のお部屋。11階はジャグジーのみがある殺風景な空間です。1−3階は船員部屋だったり倉庫だったりなので、乗客には無関係です。

 

 

運動できる設備もあり、こちらはバスケットボールなどができる運動場。その他、小規模ですがジムなども用意されています。

 

 

ジャグジーもあり、水着着用で入ることができます。青い海の真っ只中で入るジャグジーは、とても気持ち良いものです。

プールは2つほどあったと思います。海が荒れている日は、このように水しぶきが凄まじく、食堂の机まで水浸しになるほどです。当然そういう日はプールやジャグジーは使用中止になります。実は結構使用できない日は多いので、要注意です。

催しものなどが行われる大部屋は7階の「ブロードウェイ」。日頃のイベント、つまり寄港地の紹介だったり、水先案内人(後述)の講義。果てはコンサートまで行われます。

 

 

 

発表会などが行われることもあります。こんな感じの雰囲気です。

ブロードウェイは、朝方はヨガや筋トレなどの会場にもなっていて、私はよく筋トレに参加していました。

8階に「スターライト」という、ここに比べるとやや小さいですが大部屋もあります。他にも同じく8階「バイーア」や6階「パシフィック」「アトランティック」などの比較的小規模な会場もあります。

自分の部屋の空間が狭いので、こういった会場や甲板のテラスなどで1日を過ごすことが多いです。

 

⬛️「船内新聞」で1日が分かる。

 

 

ピースボート生活で必須となるアイテムが、こちらの「船内新聞」。

ぱっと見ではまるで新聞のテレビ欄のようですが、日付と重要なお知らせ、そして1日の会場ごとのイベント内容が記してあります。

表側は午前中の日程。裏側は午後の日程が記載されています。乗客たちはこの船内新聞をチェックして1日の予定を決めていきます。行きたい講座などが同じ時間で複数会場にて被っていることも多いので、どちらかを選ぶ必要も出てきたりします。

例えば「寄港地案内講座」と「社交ダンス」、被っているけど、さてどちらに出ようかみたいな。

ちなみにこの船内新聞は、前日の夜8時くらいに船室の受け口に投函されます。驚くべきことに作成しているのはピースボートスタッフだけではなく、乗客のボランティアメンバーです。むしろそちらが多数。もちろんボランティアなので無賃労働です。

 

⬛️レストランや居酒屋など

 

オーシャンドリーム号は宿泊施設でもあるので、もちろん朝昼晩と3度の食事を取る必要があります。

というか、クルーズで楽しみなのって、まず食事ですよね!?

この船では、ベーシックな食事会場は大きく分けて三つ。 4階の「レジェンシー」、9階の「リド」「パノラマ」です。

まず4階のレジェンシーが、オーシャンドリーム号の中では一番格式の高いレストラン。

服装について、短パンやサンダルはだめだったりとチェックがなされます。そこまで厳しくはないですが。

特別な催しがあったりすると、お酒が出たり料理のグレードが上がったりするのが特徴ですね。

 

 

日頃は飽きないように、色々なタイプの料理が出されます。韓国料理、沖縄料理、和風料理、北欧風料理など。

結構美味しいのですが、量が少ないという難点があります。若者だと足りないので、9階などで「二度食べ」をする必要があったりします。

 

 

ちなみに誕生日の日には、特別にバースデーケーキが用意されます。一人で食べきれない量なので、部屋メンや友人などに分けてあげましょう。

この船の料理を司っている総料理長は、かつて飛鳥でも料理長を勤めていた方で、天皇の料理番(ドラマの名前みたいですが)にお呼びがかかったり、また2020年の東京オリンピックでも総監修をなされるらしい凄い人です。

そんな偉い方が、カジュアルなオーシャンドリーム号に乗っているなんて信じられないですが本当の話です。まあ、老後の楽しみみたいな感じで、良い暇つぶしになっているのかも知れません。

 

 

9階の「パノラマ」。

レジェンシーはサーブ形式なのですが、パノラマとリドは自分で取る、つまりバイキング形式です。

「パノラマ」の名前の通り、外側のテラスからは海が見渡せ、大海原を鑑賞しながら食事を楽しむことができます。これは船旅ならではの楽しみ方ですよ。

内容は、バーガー類やパスタなどが多いです。レジェンシーよりもかなりファストフード的な内容ですね。

 

 

「リド」は甲板の内側にあります。パノラマとの違いは、こちらはヌードル類が主であること。ラーメンやうどん、そばなどがとても多いです。パノラマとうまく使い分けると、その日に食べたいものが食べられます。また両方を使うことも多いです。

パノラマは、午後に「ティータイム」があり、お菓子と紅茶やコーヒーなどが用意されます。

上の写真はネタで取りまくったものなので、こんなに取りすぎて残さないようにしましょう。

 

 

パノラマは色々な用途に使用されるレストランスペースで、夜は居酒屋に様変わりします。その名も「波へい」。このネーミングを考えた人はなかなかセンスあると感じました。

 

 

金欠だった私は縁がなかったのですが、刺身など普段レストランではでない料理や色々なお酒を飲むことができます。

昼間とは雰囲気が様変わりですね。

外側のテラスでも、お酒を飲むことができます。ボトルキープができるのが特徴。私は船内でたまたま同じ大学の先輩に出会って、お酒一本奢ってもらいました。こんな出会いもあるんですねー。

コースターになっているのは「シップリン」というピースボート公式キャラクター。おそらくシップ(船)とチャップリンをかけたものだと思いますが、なかなか愛嬌があります。6階のお土産スペースでも人形など購入できます。

 

⬛️朝日と夕日

 

船旅ならではの楽しみとしては、「朝日」と「夕日」を眺められることも大きいかと思います。

普通に陸上で生活をしていると、朝日が上り、夕日が落ちる瞬間を目にすることはまずないと思います。海上ではそれが自由自在なんです。

 

 

上は朝日ですね。

 

 

こちらは夕日が落ちる瞬間。

乗船中は、曇ったり荒天出ない限りは、毎日朝日と夕日をいやになるくらい拝むことができます。私も人生で一番鑑賞しました。

自分としてはとても面白かったのは朝日と夕日って結構雰囲気違うかと思いきや、意外と区別がつかないんです。とても似ています。二つ写真を比べられても、正確に言い当てられないのではないかと思います。方角が違うので、それがわかれば大丈夫ですが。

朝日を鑑賞するには早起きしなければならないので、メンバーが固定されてきたりします。「朝日の会」みたいに。私も早く起きて朝日を見に行っていたので知り合いになりました。

 

⬛️水先案内人

 

 

3ヶ月半という長い乗船期間がある中で、入れ替わり船にやってくる人たちがいます。「水先案内人」という人たち。

水先案内人とは何者かというと、色々な分野について詳しい人たちで独自性の強い講義をしてくれます。

上の写真は「ピースボート子どもの家」の理事長で、モンテッソーリ教育という特殊な教育の先生ですが、他にも映画監督だったり、エジプトの弁護士だったり、タヒチの平和運動家だったり、ジャグラーだったりと実に多様性に富んでいます。

 

 

単調になりがちな船旅において、新しい知識を授けてくれたり、色々と考えさせてくれる有難い人たちです。

全部で何人くらい来てくれたか分かりませんが、皆とても面白い方たちでした。

 

⬛️寄港地での出港式

 

最初にも出港式の紹介をしたのですが、寄港地ごとに行われる出港式もあります。船は世界各地の寄港地に停まっていく訳ですが、その港から出港するときにも出港式があります。

BGMが流れて、また出航前なので夕方から

夜に行われることが多いので独特の雰囲気が出ます。ビールなどの販売もあったりします。

遠ざかっていく寄港地を眺められるのも特徴。

寄港地での体験に思いを馳せながら、感傷に耽ることもできます。上の写真はイースター島です。

⬛️現代の海賊たち

 

 

上の写真の軍艦はなんだと思いますか?

日本の護衛艦「あさぎり」です。オーシャンドリーム号のそばにやってくると、海軍旗である旭日旗を掲げて挨拶した後、並走して護衛についてくれました。

護衛されるなんて、何か危険があるのかというと、危険が本当にあるんです。海賊たちです。これは「海賊対策」です。アフリカのソマリア沖からアラブの紅海にかけて、現代の海賊が出没する地域になっていて、「海賊警戒区域」とされています。ニュースなどでご存知の人もお多いと思いますが。

現代の海賊たちは、ロマン溢れるカリブの海賊と異なり、自動小銃を片手に小ボートで近寄って、船によじのぼり金を要求してくるようです。これは冗談ではなく、海賊が近づいてくるのを私自身も目にしたので本当です。本当に小さなボートでやってくるので、漁船かと勘違いさせるくらいなのですが、凄い勢いで船に近寄ってきました。

 

 

海賊警戒区域を通る時は、夜に灯りを漏らさないように窓に黒シートが張られたり、夜間甲板に出ることが禁止されたりと、対策は結構厳しいものでした。上の写真のように、びっちりと食堂のガラスも黒シートで覆われています。光が漏れて、海賊たちに居場所が分かることを防ぐためです。

ソマリアの住民たちは海賊稼業をしなければ生きていけないほど貧しく、また公権力に取り締まる力もない訳で、貧困問題とも言えそうです。

・・・続く

 

離島ナビ

http://ritou-navi.com

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