宕陰、花背、久多、百井etc “山の京都”には魅力たっぷりなエリアが数多くあります。
こんにちは、ドクターリトーです。
今回の記事では、京都市の山間地域について取り上げたいと思います。前回の記事に引き続き、京都市の北部山間地域には他にも魅力的な地域が数多く存在します。宕陰(とういん)、花背(はなせ)、久多(くた)、大原(おおはら)、百井(ももい)などです。京都市民でも、高雄の向こう側については知らない人も多いかと思います(何しろ、私がその一人でしたので)。
読んでいただくと、新しい発見があるかも知れません。
◾️意外なほど、北に向かって山の多い京都市!
京都といえば、世界に冠たる観光都市です。約1000年に渡って日本の首都であったこと。また空襲被害が少なかったことから、寺社を始め多くの歴史的遺産が残っているからです。
現在はコロナ禍にて観光客は激減してしまいますが、しばらく前までは国内・海外から観光にやってくる人々で溢れかえっていました。
ただその観光客のうちほとんどが訪れるのは、京都の市街地域。金閣寺、銀閣寺、清水寺、祇園、伏見稲荷といった地域は、いつも人だかりができています。
高雄の神護寺、世界遺産の高山寺といったところにも観光客は押し寄せますが、その向こう側、すなわち北部山間地域まで足を伸ばす人はそういません。
しかしながら、上のマップを見てもらえば分かるのですが、京都市は北部の山間地域の方が面積としては遥かに大きいのです。
南側の市街地域(一般的な“京都”)は、それに比べれば遥かに小さなエリアなのです。北部山間地域は、昔は京都とは別に町であった地域が大半ですが、明治以降に編入され、今では立派な京都市の一部。それを知らずして、本当には京都を語ることはできないかも知れません。
私も山間地域に居住するようになってから、山間地域のあちらこちらへと初めて足を伸ばしてみました。少しは馴染むことができましたので、おおまかにですが、各地域について紹介してみたいと思います。
◾️日本一高い木は、京都市にあった!:花背
こちらは、花背の峰定寺(ぶじょうじ)という古寺の領域にある、花背の三本杉。
三本の杉が一つにまとまって、生えているという不思議な形態です。ぱっと見、一つの木のようにも見えます。この杉の一本は、なんと日本一高い木なのです。それぞれ東幹、北西幹、西幹と呼ばれておて、東峰が62・3メートルで、堂々日本一の高さ。北西幹が60・7メートルで第2位。西峰が57.2メートルで第5位だそうです。5位以内のうち3本がここに集結しているわけで、三本杉のレベルの高さには脱帽です。
三本杉がここまで高くなった理由として、谷間から生えていることが考えられています。その結果、雨風をしのぎやすく、台風にも強いのです。高い杉というと、屋久島の縄文杉なんかが思い浮かびますが、縄文杉は太さは凄いですが、高さはそうでもないようです。屋久島の土壌は貧しく、また雨が多いので環境が厳しく、、意外と高くはならないようです。
こちらが峰定寺です。お寺の方は、まだ行けていないので、また改めて参拝したいと思っております。
花背の隣の広河原という集落では、“松上げ”の開催地を見かけました。
松上げというのは、日が暮れた後に、玉入れのように火の玉をカゴの中に放り込んでいくお祭りだそうです。私もまだ実際には見たことがないので、いずれ参加してみたいなあと思っております。
◾️友禅菊が、まさしく“桃源郷”:久多
こちらの写真をご覧ください!
淡い薄紫の菊畑が広がり、その奥には三角屋根の古い家屋があります。
こちらなどは、なんと茅葺屋根!! まさしく桃源郷という表現がふさわしい、あまりにものどかな里。こちらは久多(くた)という集落です。
京都市の左京区に属し、京都市の中では最北端に位置しております。京都市民でもご存知ない方も多いのではないでしょうか?
薄紫の菊は、“京友禅”というオシャレな名前がつけられており、久多のオリジナル品種になります。
こちらは、志古淵(しこぶち)神社という神社。非常に趣のある神社で、清浄さが漂っているように感じられました。
“しこぶち”というのは、琵琶湖へと注ぐ安曇川水系沿いの神社に共通する名称で、久多以外にもいくつもあるそうです。
◾️あまりにも美しいせせらぎ:百井
こちらのせせらぎは、大原の奥・百井(ももい)という秘境集落。
百井はまさに秘境で、標高は600メートルほどあるそうです。京都市でもこの高度がある場所は、そうないでしょう。
写真を眺めているだけで、もう一度行きたくなってきました。百井とはそういう印象の土地でした。左京区に属しております。
◾️ひっそりと佇む、江文(えぶみ)神社:大原
:
大原というと、山間地域の中では観光客も多く、かなりメジャーな土地です。三千院や柴漬けなど、名物も非常に多いですし。
その中でも、少し離れた場所にひっそりと佇んでいる江文神社は、秘境感が極めて強い場所でした。
とても美しく整えられていて、色彩の鮮やかな神社であるように思われました。私は大変好みです。
毎年5月5日に、例大祭が行われるそうです。
宝泉院という、五葉松(ごようまつ)という不思議な形状の松が生えている寺院があったり。虫の被害で、一部樹皮がなくなっておりますが。
宝泉院の向かいには、勝林院という歴史の古いお寺があります。つい最近、NHKのスペシャルで大々的に取り上げられたそうです。
来隣(きりん)という、地元の野菜を使った料理店があります。オシャレな今風のお店が多いのも、大原の特徴だと思われます。他にもコーヒーショップなどがあります。私の居住している北山地区には、あまりありません(苦笑)
◾️“京都の信州”の棚田風景は素晴らしい!:宕陰
宕陰と書いて、“とういん”と読みます。読みにくいし、変換するのも大変なのですが。
宕陰は愛宕山の西側に位置します。ぶどうやりんご、そばまで作られていることから、“京都の信州”の異名があるそうです。確かに山間にあるし、よく似た土地に感じられます。山から眺める棚田風景が非常に美しいものでした。
景色の美しさでは、山間の集落でも群を抜いていると言えるかも知れません。
夏に訪れると、おみなえしが鮮やかな黄色い花々を咲かせておりました。可憐な花です。
私がまだあまり地域について理解していないので、おおまかな説明になってしまいましたが、こちらが京都山間地域を訪れてみたおおまかな記録になります。
“山の京都”には、魅力的なスポットが数多くあります。というか、ありすぎ。
考えてみれば当然のことで、千年の古都のすぐ近くにあったのですから、それぞれ歴史の深い土地なのです。今まで知らずに、なんだか損をした気分になってしまいました。それぐらい美しく、素晴らしい土地です。今後とも、いろいろと訪れてみたいと思っているので、また記事にできたら良いなあと思っております。
離島・秘境ナビ