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紅海、ジャンベ、メンドン、東温泉、俊寛・・薩摩硫黄島探検。

こんにちは。今回は薩摩硫黄島について。鹿児島からそこまで遠くない小さな島ですが、秘境感に満ち、他にはない魅力が盛沢山ですので、楽しみにご覧ください。

 

■薩摩硫黄島へ

 

 

薩摩硫黄島へ行くには、鹿児島南ふ頭ターミナルから向かいます。「みしまフェリー乗り場」からです。反対側には吐噶喇列島行きの乗り場があります。

 

 

この航路を利用するのは二回目なのですが、船が新しくなっていました。2020年から投入されたそうです。フェリーみしま。みしまの由来は三島村ですが、三島村はその名の通り三つの島から成る村です。竹島、薩摩硫黄島、黒島。薩摩硫黄島は特徴的な地質構造=ジオパークで有名ですが、大地の力強さを彷彿とさせるフロアのカラーリングに反映されているように思われます。

 

 

新しい船には新車を思わせる独特な匂いが漂うものですが、未だに船内に満ちていました。新船の証拠です。

 

 

三島村はギニアと交流があり、ジャンベというギニアの楽器について記されています。

 

■薩摩硫黄島に接近

 

 

竹島を過ぎ、薩摩硫黄島が視界に入ってきました。雄大な風貌がインパクト大です。山肌からは煙が立ち上り、樹々もまばら。黄色く見えるのは、まさに硫黄。硫黄島の由来です。

 

 

硫黄島といえば、映画「硫黄島からの手紙」などで有名な、第二次世界大戦の激戦地・小笠原の硫黄島が有名ですが、こちらは全くの別物。紛らわしいので「薩摩」硫黄島と一般的には呼ばれます。小笠原の硫黄島は現在は無人島で、自衛隊や遺族の方しか行く事はできませんが、薩摩硫黄島には人が多く暮らしています。

 

■紅海

 

 

フェリーが港内に入りました。薩摩硫黄島最大の特徴だろう赤い海が見渡せます。初めて訪れる人にとってはインパクトが強く、きっと忘れる事はないでしょう。なぜ海が赤いのかといえば、海底から湧き上がる硫黄が酸化しているからで、このような光景が目に出来るのは日本でもここだけです。

 

 

ダイビングをすると、こんな光景が眺められるそうです。日本テレビで紹介されたとか。ちょっとこの世のものとは思われませんね。

 

 

硫黄島に着工すると、ほぼ必ず楽器を演奏して出迎えてくれる島民の方がいますが、先ほど取り上げた「ジャンベ」です。秘境感抜群の硫黄島旅を盛り上げてくれるようです。

 

■メンドン

 

 

それではさっそく島内散策を始めましょう。港から程近い神社です。

硫黄島は他にはない見物が多い島ですが、その一つが「メンドン」。島の祭に登場する被り物ですが、ユネスコの無形文化遺産に登録されている程に価値の高いものです。熱帯の精霊を彷彿とさせ、同じく無形文化遺産・悪石島に伝わる「ボゼ神」とも相通じます。ボゼ神についてはこちらの記事を→

http://ritou-navi.com/2017/09/12/boze/

 

 

椿の栽培が盛んなようで、まだ秋も半ばでしたが赤い花がちらほらと咲いていました。

 

■俊寛堂

 

 

硫黄島は「鹿ヶ谷の陰謀」で処罰された俊寛が流された土地としても有名。当時は鬼界ヶ島と呼ばれました。俊寛が暮らしていたと言われる場所に慰霊目的で建てられたのがこちらの御堂。俊寛堂と言われます。他の罪人と共に流刑になったのですが、俊寛だけは都への帰還を許される事なく、この地で37歳で没しました。

 

■平家城展望台

 

 

俊寛の悲劇は歌舞伎でも演じられる事が多いですが、硫黄島でも上演された事があるそうで、こちらはその記念碑。

 

 

雄大な硫黄岳が見渡せるスポットでもあります。

 

 

港そばの俊寛の像。都へと帰還する船に追い縋る必死な姿が表現されています。哀れ、俊寛。硫黄島は自分としては魅力的で面白いところですが、当時の都人にとっては遠く離れたこの島の暮らしは想像を絶するものであったことでしょう。

 

■東温泉

 

 

硫黄島の象徴と言える場所の一つが「東温泉」。目の前に広がる海を見渡しながら入湯できる野生の温泉です。

 

 

藻が繁殖して緑がかっています。舐めてみると、なんと酸っぱい。ミョウバンの成分に由来するとか。酸っぱい温泉というのは初めてでしたので、印象的でした。

 

 

温泉好きの方にも有名だそうです。ここでしかできない経験なので、是非訪れてみて下さい。

 

■キャラバンパーク

 

 

硫黄島で特徴的な宿泊施設がこちらの、キャラバンパーク。

キャンピングカーにそのまま宿泊でき、この島のワイルドさを象徴するようです。御勧めです。普通の民宿では体験できない楽しさがあります。

 

 

岬から眺める港。見事に内側だけが紅海になっている事が分かります。赤と黒ならぬ、赤と青。ツートンカラー。

 

薩摩硫黄島。見所いっぱいなので、是非とも訪れてみてください。

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