こんにちは。ドクターリトーです。今回の記事では、青ヶ島の「ひんぎゃ」、および、地熱釜とふれあいサウナについて、特集してみたいと思います!!
「ひんぎゃ」
聞きなれない言葉ですが、これは青ヶ島の方言。ひんぎゃ→ひのきわ(火の際)という意味合いで、要は青ヶ島の丸山付近の噴気孔のことを指します。
http://www.vill.aogashima.tokyo.jp/star/gallery/
上の図は、青ヶ島の立体地図ですが、実に不思議な地形を示しているのがこの青ヶ島です。
二重カルデラといって南側のカルデラ内部に、小さな山(丸山)がそびえており、そのてっぺんがまたカルデラになっているのですね。カルデラの入れ子構造です。
この丸山は現役ばりばりの活火山で、1785年頃(江戸時代)の「天明の大噴火」では大規模な災害を引き起こし、島民が大量に死亡しました。つい230年前のことです。そして噴火以後、豊かな楽園だった青ヶ島は人が住めない無人島と化しました。
しかし人々は青ヶ島への思いを捨てることはありませんでした。青ヶ島から避難した人々は隣の八丈島で暮らし、忍耐の末に約50年後、見事青ヶ島への帰還を果たしました。大量死者を出した活火山の島への帰還を待ち続けた、青ヶ島の島民の望郷への執念は少し理解を超える面があります。この一連の帰還への行動は「還住(がんじゅう)」と呼ばれています。「還住」という厳しい言葉には、青ヶ島の人々が経験した苦難が染み込んでいるような気がします。
こちらが、丸山です。かつて大噴火を起こした丸山も、今では深い緑に覆われています。写真の手前側が地肌がむき出しになっていますが、ここにひんぎゃ、およびひんぎゃの地熱を利用した施設があります。
地面から湯気が立っています。これこそがひんぎゃ。こんなところが何箇所もあるんです。青ヶ島自体が、生々しい活火山であることを嫌でも思い知らされます。
このひんぎゃのあたりにいると、青ヶ島のカルデラの外輪山(カルデラを取り囲む山)の迫力をひしひしと感じます。360度、まるで城壁のような高い山が島を取り囲んでいるのです。ちょっと信じられないような景色。
ひんぎゃは、噴火のなごりで恐ろしいものでもあるのですが、大地の恵みも一方でもたらすものです。
こちらは、ひんぎゃの地熱を利用した、地熱釜。強力な地熱で、釜の中に食べ物を入れておくと、なんでも蒸してくれる便利な代物です。
こちらは、泊まった民宿で用意してもらった食材たち。魚やウィンナー、卵、じゃがいも。
じゃがいも以外は10分程度。じゃがいもは30分程度で蒸しあがると言われました。
釜の足元近くに赤いレバーがあり、レバーを上に引き上げると蒸気が出始め、調理が始まります。
準備も整い、調理スタート!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10分が経ち、調理完了。ひんぎゃを利用して作られた塩、「ひんぎゃの塩」を使っていただきます。
まろやかで、非常にいい味をしています。
じゃがいもも、ほっこりしていて、いい感じ。
地熱釜だけでなく、地熱を利用したサウナとお風呂もあります。「ふれあいサウナ」という名で、格安300円で利用可能。
結構暑かったですが、暑い中集落からカルデラまで徒歩で向かったので、ありがたい存在でした。
タイルはとても熱くなっているので、注意必要です笑
こちらが、ひんぎゃの塩を作っている、製塩工場。見学は不可でしたので、よくわかりませんでしたが。
青ヶ島を訪れた際には、まず島全体が見渡せる大凸部、次にこのひんぎゃに行ってみてくださいませ。とても楽しいところです。