ヤクシマザルと睨み合う!? 大ボス・縄文杉へとトロッコ道を歩む冒険の旅。
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では屋久島の荒川登山口からの縄文杉ルートについて取り上げたいと思います。屋久島に来たら、縄文杉を見にいくっきゃない! 途中で出会う小杉谷集落やウィルソン株もとても面白い。
【屋久島情報】
《アクセス》本土から多数直行便あり。もしくは鹿児島港からフェリー、またはジェットフォイル。
《宿泊》ホテル、旅館、民宿、ペンションなんでもあり。有名観光地なので。
《食事》食堂多数あり
◾️朝四時に出発!
縄文杉へと向かうには、荒川登山口というところから登るのが一般的。そして荒川登山口から屋久杉まで行って往復すると約19キロ、約10時間かかります。だから遭難しないためにも、朝の早い内から出発しないといけません。つまり、バスで向かうことを考えると朝四時くらいに起きないと間に合わないということです。これは早いので、なかなか大変ですよ。
そしてバスで登山口まで向かうと、まだ暗いのにこの人だかり。皆屋久杉を目指してやる気満々です。
◾️薄闇の中をトレッキング開始
薄暗い中、さっそくトレッキング開始。ひたすら前方に線路が続いているので、その上を歩いていけばルートとして合ってます。まるでスタンドバイミーのような光景。
しばらく歩くと、トロッコの橋のような場所に。ここは柵もなく、下は岩場なので実際かなり危険かも知れません。しかしとても面白いところです。
◾️小杉谷集落跡
そのまま線路沿いにどんどん進んでいくと、休憩所のようなところに行き着きます。
ここは雰囲気がかなり周りとは違っているような場所。
ここは昔屋久杉を切り出す集落、小杉谷集落があったところらしいです。今ではもちろん人の姿もなく、元の森に戻っています。なぜか昔の写真が写されたポスターがたくさん掲げられていました。トレッキングルートで写真展とは、乙なことをやってくれるものです。
昔の賑わいがうかがい知れます。人がたくさんいたころの集落。今の静けさからは想像もできない。
まるで洗濯物のような光景。しかし全て当時の集落の光景です。
石の階段など、人工物が残されているので集落だったことが分かります。
集落には昔は小・中学校跡まであり、そしてこのあたりは冬は雪が積もるそうです。こんな南の方にある島でスキーとか信じられない!
◾️森は深まっていく
集落跡地を過ぎると、本格的に森は深まっていくようです。でも線路はそのまま続いていきます。
大きな屋久杉の切り株の姿も。
川には、大きな岩がごろごろ転がっています。それにしても水量が多い。雨の多い屋久島は離島とは思えない川の流れがあります。滝も多いし。
大きな倒木まで。屋久島の杉はもう生存していないものが多いようです。
◾️大株歩道
さらに歩いていくと、ようやくトロッコ道は終わり、「大株歩道」というところに突き当たります。ここからが縄文杉へと至る本格的な道。
今までとは趣の違う、よりワイルドな道が続いていきます。
◾️空洞がハート型のウィルソン杉
大株歩道をずっと行くと、しばらくしてウィルソン株に行き着きました。ここは有名なスポット。ウィルソン株というのは、とても大きな切り株で、中身が空洞になっているのです。
空洞の中には、面妖な祠まで。屋久島の森はいつもひんやりとしていますが、切り株の中は余計にひんやりとしています。RPGにでも出てきそうな、浮世離れしたスポットです。
そして何よりも有名なのが、天井に空いたこのハート型の空洞。よく雑誌とかでも使われているアングルですが、実際に眺めると妙に感動しました。
◾️大王杉
ウィルソン株を過ぎてしばらく行くと、今度は「大王杉」が待ち構えています。大王というだけあって、堂々たる風格。樹齢何年くらいなのか。相当高いことは間違いありません。
◾️ついに縄文杉へ!
とうとうトロッコ道、そしてその先の大株歩道を踏み越えて、はるばる縄文杉へとたどり着きました!!
縄文杉の周りには木のデッキが組まれていてそこから眺めることになります。とても価値のある杉なので、直接触ることはできません。それが他の杉との一番大きな違いかと思われます。
こちらが縄文杉!!
幹のゴツゴツ感といい、威圧感が他の杉とは全然違います。まさに屋久杉の主というような佇まい。写真でも伝わるかと思いますが、実際に目の前にするとひしひしとオーラを感じました。
大ボス感満載です!!はるばる長いトレッキングを経て、最後にたどりつく大ボス。それが縄文杉。
圧倒的な存在感。
樹齢6000年とも8000年とも言われるが、それだけの貫禄があります。石器時代からこの杉はこの世に存在し続けてきました。気の遠くなるような悠久の時間です。その間に人間は何十世代、いや百世代以上も置き換わっているはずです。
◾️帰り道で猿に遭遇(!)
縄文杉まで無事に行き着いたので、元の道を引き返していったのですが、なんと猿に遭遇しました。しかも怒っているようです。これはヤクスギザルという屋久島の固有種。本州に生息するニホンザルに比べて小柄で灰色がかっていて、そして顔の赤色も薄い感じです。
近頃、鹿に対して交尾をしようとしていたというかなり面白い情報も。
「屋久島のサル、シカに交尾試みる? 研究者チームが撮影 2017年1月11日」→http://www.asahi.com/articles/ASK1C4HBLK1CTLTB004.html
普段野生の猿と出会う機会などないので、なんだか不思議な感じ。屋久島というと鹿のイメージがありますが、猿も多いようでした。
猿はこちらに向けて牙を向けて凄んできました。近づいたらこちらに向けて襲いかかってくるかもしれないので、しばらく立ち往生。ありがたいことにしばらくすると、どこかに立ち去ってくれました。
◾️切り株の上に若い杉が!
トロッコ道を歩いていると、よくみかけるのがこのような光景。杉の大きな切り株があり、なんと切り株の上に若い杉が生えています。
屋久島では江戸時代から伐採が進み、年季の入った大きな杉は木材として切り倒されていきました。だから標高の低いところにはまだ比較的若い杉しか残っていません。
大きな切り株の上に、若い杉が生え成長していっている。屋久島が刻んできた歴史、そして生命の循環が感じられる光景だと思いました。
◾️縄文杉ルートは非常におすすめ
屋久島を訪れたら、是非このルートの登山はしてほしいと思いました。そしてなんといっても縄文杉をみてほしい!
時間と体力は消耗しますが、それだけの価値はあることは保証します!! 手軽に行ける白谷雲水峡の比ではないです笑
是非行ってみてください!
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