飛島名物・黄色い花「トビシマカンゾウ」ラーメンは美味!!バードウォッチングの楽園。
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では飛島の続き。
前回は、飛島の面白い地形たち(日本ジオパーク認定)について扱いました
→http://ritou-navi.com/2017/06/03/tobishima-2/
【飛島情報】
《アクセス》山形・坂田港からフェリー、または高速船。1日数便
《宿泊》民宿、旅館多数あり
《食事》有名な「トビシマカンゾウ」入りのラーメンが食べられる西村食堂など。
◾️浮世離れした賽の河原の光景
黒い岩場をしばらく進むと、こんなうず高く積み上がった石の山が並んでいるところに行き着きました。
これは「賽の河原(さいのかわら)」というスポット!
「賽の河原」はあの世に近い場所と言われます。
ここでは、海難で亡くなった人たちや小さくして死んだ子どもたちの霊が集まるところとされています。その供養のためにこのうず高い山が作られていたそうです。
そういえば、北海道の奥尻島にも賽の河原はありました。
北方の離島の寒冷な気候と、あの世に近い「賽の河原」は相性が良い組み合わせのように思えます。
この賽の河原は、知らない間に霊の力によって石が積み上がっているという伝承もあります。実際のところは、島の人たちや、観光客たちが積み上げているのだと思いますが・・・笑
しかし、石ころの山がひたすら並んでいるだけの浮世離れした光景を眺めていると、確かにあの世に近い場所に思えてきます。
◾️荒涼とした浜辺を行く
賽の河原からさらに先へと進むと、荒涼とした浜辺へと行き着きます。ここもこの世の果てのような景色。見渡す限り、砂浜と岩場、そして遠くにそびえる小島しかありません。岩場には水がたまっているので、満潮時にはこのあたりは水没してしまうのでしょう。
遠くにそびえる小島は烏帽子群島という島々だそうです。
ここの浜の砂は全て貝殻から出来ているそう!! たしかに拾い上げていると細かな貝の破片がたくさん見受けられます。長い年月をかけて、貝殻が砕かれて砂になってしまったようです。
歩いた時は干潮時だったので、遠浅の浅瀬がひたすらあたりには続いていました。海がはるかに遠くに見えます。
周囲に人の姿は全くなく、この世を離れた別の世界、異世界に思われました。本当に浮世離れした雰囲気が漂っています。これは実際に歩いているとよく伝わると思います。
◾️烏帽子(えぼし)群島
先ほども少し紹介しましたが、穴の空いている不思議な小島が海の向こうに浮かんでいます。こちらは烏帽子(えぼし)群島。
荒涼とした雰囲気の小島が日本海の荒波の中にじっと佇んでいる姿は、独特の味わいがあります。まるでファンタジーの世界にでも迷い込んだよう!
渡航手段はないので、こうして対岸から眺めるだけですが。
荒涼とした浜辺はどこまでも続いていく。石が散らばっているだけ。相変わらずに人の姿はなし。
◾️ゴミ拾い調査隊(?)
どこまでも無人の浜辺が続いていくのではないかと思いきや、突如人々の姿を前方発見しました!
しかもかなりの人数。
何をしているのか尋ねてみると、飛島のゴミ拾いのための調査をされているそうです。確かに大量のゴミが浜辺には打ち上げられている。一体どこから流れ着くのでしょうか。
ゴミ拾いの人たちに集落の方角へと戻る道を教えてもらい、森の中へと抜けて行きました。こうして浜辺散歩は無事に終了。
◾️とびしまラーメン
飛島は辺境の離島なので、コンビニもスーパーもなく、飲食店も数少ないです。その数少ない食堂の一つ、「西村食堂」で食べられるのがこちらの塩ラーメン。
このラーメンが普通のラーメンと違うのは、なんと「トビシマカンゾウ」の花びらの漬物が入っているところです。このオレンジ色の花こそ、まさにトビシマカンゾウ。
http://sdknz610.exblog.jp/3754241/
トビシマカンゾウは、初夏(6月ごろ)に飛島で咲き乱れる花。写真のように群集して咲き乱れるらしいです。時期が早かったので残念ながら見れなかったが、一度見てみたいものだなあと思いました。
◾️バードウォッチングの名所
飛島はバードウォッチングでも有名な島です!
北と南を行き来する渡り鳥の中継地点で、休憩地になっているそうで、飛島では多くの種類の渡り鳥を目にすることができます。
バードウォッチングを趣味にしている老夫婦にちょうど遭遇して、望遠鏡を貸してもらって観察させてもらったのがこちらの小さな青い鳥。とても美しい色合いです。
その時鳥の名前も教えてもらったのですが・・・見事に忘れてしまいました。
◾️島のミュージアム 澗(にま)
こちらは飛島の色々な資料が展示してある「島のミューゼアム 澗(にま)」。
かなり変わったネーミングセンスの資料館です。
渡り鳥の写真が多数飾られていました。さきほどの青い鳥以外にも、様々な渡り鳥たちが飛来するようです。
これはヤツガシラという珍しい鳥。トサカが鮮やかです。
そういえば場所は違いますが、今年の3月ごろ沖縄で確かにこのヤツガシラを見かけました。
初春には東北に到達するとすれば、3月ごろ沖縄にいたとしても不思議はないはず。渡り鳥の移動を感じました。
◾️昔は子供がいた? 「無子化」してしまった飛島
資料館には「子供のいた飛島」という展示もありました!「子供のいた」ということは、今はいないということなの?
そうなんです。現在の飛島には、未成年者はなんとゼロということ(!) 絶海の孤島、飛島には島の後継者は育っていないとのこと。
離島にはありがちですが、少子化を超える「無子化」が進行していました。
この写真集によると、15年前は確かに子供たちが島にいたそうです。結構最近の話です。それが今ではゼロに。
若年層がいないということは、将来的に島は無人化していく可能性が高いわけで、極めて深刻な問題には違いありません。
未来の飛島はどうなってしまうのでしょうか? 無人島化した飛島の姿を想像してしまいました。人工減少による共同体としての存続危機は飛島だけではなく全国の離島に共通したテーマなので、気になるところです。
◾️自然豊かな北の離島へ行ってみよう!
飛島は東北日本海側唯一の離島であり、そしてこれぞ北の島だなーという空気を感じました。賽の河原をなど荒涼とした景色、トビシマカンゾウ、渡り鳥の姿など。南西諸島とも瀬戸内海の島々とも、同じ離島といえども雰囲気は全く違っていました。
非常に独自性のあるのが、この飛島です。是非行ってみてほしいと思いました! 冬場は、やっぱり雪にうずもれるのかな。
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