太地町、日本で唯一「くじらの博物館」!真っ白いクジライルカがいました。
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、和歌山県は太地町、「くじらの博物館」について取り上げたいと思います。くじらの博物館は、日本でも珍しい(唯一?)くじらを専門に扱った博物館です。
太地町は最近ではイルカ漁が動物愛護に反するとして世界的に批判されたりしていますが、伝統的にクジラ漁を行ってきた、クジラ・イルカと縁の深い町なのです!!
◾️くじら博物館へと向かう!
くじらの博物館へと向かうには、電車を利用して訪れる場合は、まずは最寄りのJR太地駅まで。ちなみに無人駅で、電車の本数も少ないために要注意です。太地駅からは、直通バスが出ています。
バスを降りると、目の前にくじらの博物館が! 大きなクジラの絵が描かれています。
博物館のすぐ隣には、巨大な船が!!これはかつて使われていた「第一京丸」という捕鯨船。
役目を終えた後に展示されているそうです。捕鯨船というだけあって、相当大きく、そして馬力がありそうな船でした。
◾️セミクジラの骨格が!!
くじらの博物館の中へと入っていきましょう! 入館後出迎えてくれるのは、こちらのセミクジラの骨格展示!
たかだかと空中に掲げられています・・・笑 これをそばで見ると、くじらの大きさが実感できます。人間よりどれだけ巨大なことやら。
こちらはもちろん模型ですが、復元されたセミクジラ。肉がついたことで、さらに巨大さを実感します・・・笑
ちなみにセミクジラは北半球の温帯地域から北極地域にまで生息するクジラだそうです。ザトウクジラ・シロナガスクジラなどが地球全体にまたがって暮らしているのに比べて、生息地域が限られているのが特徴だそうな。
◾️クジラ漁の再現したジオラマも!
博物館には、太地町の伝統であるクジラ漁を再現したジオラマも作られていました。
クジラ漁の手順としては、多数の小舟を使ってクジラを囲い込み、クジラに綱をかけて動きを封じ込めるそうです。そして身動きの取れなくなったクジラに対して銛をどんどんと投げて、少しずつ弱らせていき最後に捕獲。その後は港まで綱を引いて連れていくそうです。これが古来のクジラ漁のやり方で、「綱捕り式」というそうです。
こちらは、クジラに銛を打つ人の再現模型。こんな大きなクジラに対して戦いを挑むとは、凄まじい勇気です。
クジラ漁の中でもっとも勇気が試される役回りは、クジラの頭に乗って銛を突き立てトドメを刺す役だそうでこれを立派にできて一人前のクジラ捕りだとみなされたそうな。
◾️クジラのヒゲを使った道具たち
これまであまり知らなかったそうですが、クジラの口の中には上の写真のような「ヒゲ」がたくさん生えているそうです。これは皮膚の一部が変化した器官だそうで、食べ物を濾過するために使用されるそうな。
クジラのヒゲは、硬くてかなりしっかりとした特色ある材質だそうです。引っ張り強度もあり、弾力性もあることから様々な用途に使用されてきたと紹介されていました!
釣竿や櫛、靴べらなど。今ではクジラ漁が禁止されているので無理ですが、昔は肉だけでなく、あらゆる部位が使い道があるかけがえのない資源だったことが伝わってきました。
◾️クジラの進化プロセス!
これはかなり面白かったのですが、クジラの進化プロセスのジオラマ。クジラは海に暮らす生き物ですが、魚ではなく私たちと同じ哺乳類。一度陸に上がった哺乳類が再び海へと戻った生き物、それがクジラなんです。だからエラ呼吸ではなく肺呼吸。そして卵ではなく、子供を胎内で育てます。
クジラは今では魚に似た流線型の体格を持っていますが、上のジオラマに載っているようにもともとはアナグマかイタチのような姿だったようです。それが徐々に後ろ足がなくなり、 前足がひれになり・・・と移り変わっていきました。
なんだか不思議な感じがしますが、進化の歴史というのは面白いです。
◾️イルカショー、クジラショー。
くじらの博物館では、水族館みたく、イルカショーとクジラショーが行われていました。こちらはバンドウイルカ。
高く掲げられた玉に対して、勢いよくジャンピング!!
イルカショーはよく見ますが、ここでは「くじらの博物館」だけに、ゴンドウクジラによるくじらショーも見られるのが特色。クジラって大きいのにショーとかできるの!?と思われそうですが、ゴンドウクジラはクジラと思えないほど小型のクジラでした。
実は聞いた話ではクジラとイルカって分類学的には分かれていないようで、単に大きさの違いで呼び分けているそうです。これは目から鱗の知識でした!
ゴンドウクジラもジャンピング!! さすがにクジラだけあって、イルカよりもかなり迫力がありました・・・笑
巨体を物ともせずに、結構な高さまで跳ねるんです。
◾️白いクジラ、イルカ
この「くじらの博物館」のすぐそばには、「マリナリウム」という施設があります。博物館と同時に入場できるのですが、面白いのは、なんと真っ白いクジラとイルカが飼育されていること。
これは「アルビノ」といって、メラニン色素がなくなり真っ白になってしまう現象のようです。白いタイガーとか、白いカエルとかが時々話題に上がりますが、あれと同じやつです。
アルビノ種は紫外線にも弱く、またとにかく目立ってしまうので捕食されやすくなり、自然界では生き延びることはなかなか難しいようです。
この水槽ではクジラがイルカに対してしつこくすり寄っていました。求愛行動?・・・笑
◾️最後にクジラ肉を食す。
くじらの博物館を出た後、すぐ隣の食堂で「クジラ串カツ」を食べてみました。ここではクジラを食べることもできるのです。クジラを眺めたすぐ後にクジラ串を食べるなんて、ちょっとあれな気もしたのですが・・・笑
ちなみにクジラ肉は、牛肉と食感も味も似ていました。同じ哺乳類なのだから、当然か!
くじらの博物館。くじらについてわかりやすく理解を深めることができるのでぜひ訪れてみてください。私もよい取材を行うことができました。
離島ナビ