返還50周年。ある意味日本一広い?小笠原村!火山列島、南鳥島、沖ノ鳥島、西ノ島。
こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では少し一風変わって、東京都小笠原村(おがさわらむら)について扱いたいと思います。小笠原村は日本の村の中でも際立って特徴的な村なので面白いと思いますよー。
◾️東京都・小笠原村
小笠原村は、東京から約1000キロも離れていますが、立派に東京都に所属する地方公共団体です。
人口は約3000人、面積は約100平方キロ。日本の村としては、人口面積共に中くらいのサイズです。
でも、ある意味小笠原村は日本で一番広い村と言えるかも知れないです。
それは、村を構成する島々が広大な海域に散らばっているからです。小笠原村には30島程度が所属していますが、その散らばるエリアは本当に信じられないくらいに広大なんですよ!! それこそ日本列島の半分くらいかという勢いで。
◾️有人島は、父島・母島だけ!
小笠原村の村域は、日本の南の広大な海にまたがっているのですが、約30島の内現在人が住んでいるのは、父島と母島の2島だけ。
父島の二見港には東京からおがさわら丸が到着したりかなり開けた島なんですが、母島はかなり人口規模のサイズは小さな島です。そういう訳で小笠原村の人口のほとんどは父島1島だけに集中しているといってよいでしょう。
最近日本の人口の東京一極集中なんて言われていますが、小笠原村ではその比にならないくらい父島一極集中状態になっているといって過言ではありません!
それではこれから、父島・母島以外の小笠原を構成する島々についてみていきましょう。
◾️小笠原村の島々
前述しましたが、小笠原の島々は実に広範囲の海に散らばっているのが特徴です。主に四つくらいに大別できそうです。
「父島・母島・聟島列島エリア」「火山列島・西ノ島エリア」「沖ノ鳥島エリア」「南鳥島エリア」といったところでしょうか。
■火山列島
火山列島とは、父島・母島の西南の方角に並ぶ島々のこと。上の写真の緑で囲まれた島々です。北硫黄島・硫黄島・南硫黄島の三島が該当します。
火山のように海中からそびえている島々なので「火山」列島。海の上に出ている部分、つまり「島」の部分は小さいですが、火山としての体積はそれぞれ富士山をも上回るようです。・・・火山列島といっても、硫黄島以外は火山活動は見られないみたいですが。
この中でも硫黄島は、太平洋戦争で大規模な日米衝突があったことで有名です。昔は硫黄島には人が住んでいたのですが、戦後は無人島になってしまいました。一般人も立ち入りも禁止。
そんな感じで日本の黒歴史がべっとりとまとわりついた土地でもあり、ダークスポットというか、あまり容易に人を寄せ付けない感じがします。
そもそも戦前の時点で、北硫黄島にも人は住んでいましたが少数で、南硫黄島はもともと人が住めない無人島であり続けたようですが。
こちらが南硫黄島の姿。周囲が断崖だけしかなく、いかにも人が住めない感じがします。
そのあまりに険しい地形から人間を拒み続けた島で、日本最後の全く手付かずの秘境らしいです。とても魅力的な感じがします。可能ならば、行ってみたいことですねー。
ちなみに、南硫黄島はEEZ(排他的経済水域)でアメリカ領のマリアナ諸島のファラヨン・デ・パハロス島(覚えにくい名前!)とかぶっています。つまり日本とアメリカの境界線にある離島でもあります。
◾️成長する西ノ島
小笠原村で最近話題になったのは、西ノ島(にしのしま)。
上のグーグルマップでは黄色い丸で囲ってあるところです。火山列島の少し北に位置しています。
西ノ島は、火山が爆発して島の面積がみるみるうちに10倍くらいになるという、まさに漫画みたいな出来事が実際に起こってしまいました。
西ノ島の拡大で、日本の領海やEEZが数十平方キロも広がったというので、たいしたものです。
西ノ島がこれからどうなっていくのか楽しみですね。生まれて間もない新島です。
◾️南鳥島、沖ノ鳥島も小笠原村!?
小笠原村の村域を広くしているもの。それはずばり、沖ノ鳥島と南鳥島。いずれも有名な日本の端の島で、それぞれ最南端と最東端です。
沖ノ鳥島は、父島からなんと1000キロも離れています! 上の地図だと緑色の丸が沖ノ鳥島。赤丸が父島。
1000キロというと、大阪ー東京間の二倍もの距離。これだけ離れた島が同じ村に属しているなんてありえないです。
南の島の内、沖縄でないものはとりあえず小笠原村に編入してしまおうという適当さがにじみだしているような印象を受けます。
南鳥島に関しては、父島から1400キロ近くも離れています! 冗談みたいな話。
南鳥島には居住者がいます。といっても南鳥島在住の人ではなく、自衛隊や気象関係の本土から派遣されてきた人たちばかり。
◾️小笠原村の広大さを実感する!
小笠原村がある意味日本一広い村であることが、おわかりいただけたでしょうか?(ちなみに本当に日本一面積が広い村は、奈良県の十津川村です)。
小笠原村の人口は約3000人。とても小さな村ですが、日本の領土保全に果たしている役割は果てしなく大きいんです。
◾️2018年は小笠原返還50周年! 日本の重要な地、遥かなる小笠原を体感しよう。
ちなみに今年2018年は、小笠原諸島返還50周年の記念すべき年。
小笠原諸島がアメリカから返還されたのは、1968年(昭和43年)6月のこと。1968年といったら、日本がまだ高度経済成長期の頃ですよねー。オイルショックよりも前。・・・それからもう半世紀が経ってしまったのですね。
50周年の年なので、今年は小笠原諸島ではイベントが多く開催されるようです。東京でもイベントが開催されるそうなので、小笠原には行けなくてもそちらなら行きやすそうです。
そんなこともあり、是非ともおがさわら丸にのって、一度は小笠原諸島を訪問してみましょう!!
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