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カリブ海に浮かぶレゲエの島国・ジャマイカ。ラスタファリズム発祥の島!

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、カリブ海に浮かぶ島国「ジャマイカ」について扱いたいと思います。ジャマイカと聞くとまずレゲエを思い浮かべる人が多いと思いますが、まさしくレゲエの象徴のような国。レゲエの思想的基盤である「ラスタファリズム」についても(受け売りですが)触れたいと思います。どうぞ、楽しんでご覧下さい。

 

⬛️ジャマイカ「島」

ジャマイカは島国です。つまり、ジャマイカ「島」が即ちジャマイカ国であるということ。一つの島がそのまま一つの国になっています。スリランカやアイスランドとかと同じですね。

 

 

ジャマイカ島はカリブ海に浮かぶ島。キューバ島やドミニカ共和国があるイスパニョーラ島、プエルトリコなどと共に、大アンティル諸島を構成する島の一つです。赤道に近いため気候は熱帯性で、年間を通して暖かく湿度が高いです。

ジャマイカ島の面積は約10、900平方キロ。これは日本で例えると岐阜県(10、600平方キロ)に相当します。岐阜県が一つの国だと思うと、かなり小さい感じがします。四国(18、800平方キロ)よりは相当小さいです。

人口は約290万人。人口規模でみても小さな国です。ちなみに公用語は英語

 

⬛️黒人たちの国

 

ジャマイカ島で最初に暮らしていたのは、モンゴロイド系の先住民・タイノ人でした。タイノ人はアメリカ本土にも暮らしていたネイティブ・アメリカンの一派です。

しかし16世紀以降スペイン人の進出により搾取が始まり、また抵抗力のなかった天然痘の流行などによりたちまち全滅してしまいました。

労働力として働かせる人間がいなくなったので、代わりにアフリカから黒人たちが連れてこられました。これが現在ジャマイカにおいて黒人人口が大部分である経緯です。

 

⬛️ひたすら抑圧され、搾取され続けた黒人たち。

 

ジャマイカに連れてこられた黒人たちは、サトウキビのプランテーションの労働力として搾取され続けました。

上の写真はジャマイカ北西部の都市・モンテゴベイの中心広場「サムシャープスクエア(Sam sharpe Square)」の一角にある家屋ですが、逃亡奴隷を収容した牢獄だそうです。

 

 

ずばり「The Cage」という名称です。ストレートに「かご」と表現されると、牢獄の劣悪さが伝わってくるような感じすらしました。

逃亡を余儀なくされるほどにつらい奴隷生活が長年黒人奴隷たちを苦しめたのでした。

 

 

ジャマイカは治安が良くない国として有名ですが、このあたりは普通の街並みに見えました。

「危険な国」とっても、そこに暮らす人々にとってはそれが日常の生活風景です。いたずらに不安を煽るのは良くないことなのかも知れません。

ただ注意すべきはジャマイカは大麻がほぼ合法化された国であるということ。嘘みたいですがこれは本当の話です。

完全に合法ではないですが、たとえ見つかっても僅かな過料を払うだけで済むので事実上合法みたいなもの。国が違えば、法もルールも違います。当たり前の話でしょうが、ここまで違うとは驚き・・・笑

首都のキングストンなどにいくと、売人が大麻を積極的に進めてくるそうです。個人の自由なのですが、ドラッグには手を出さない方が良いと思います。

モンテゴベイ(船の寄港地)に比べて、キングストンは遥かに治安に問題があるとのこと。私は行かなかったのですが、キングストン観光にはそれなりのリスクが伴いそう。キングストンで日本人が殺害される事件も過去に起きているようです。

 

⬛️ラスタファリズム

 


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赤・黄・緑・黒。

この色の組み合わせは見覚えがある人も多いのではないでしょうか? アフリカの国旗にもよく使われます。ファッションでも使われたりします。

 

 

こちらはアフリカ・エチオピアの国旗。

 

 

こちらは同じくアフリカ・ガーナの国旗。他のアフリカ諸国でも頻繁に見られる色の組み合わせです。

この「ラスタカラー」と一般的に呼ばれます。この色合いにはそれぞれ意味がありまして

赤=戦いで流した流血

黄=太陽

緑=アフリカの大地

黒=黒人の血統

をそれぞれ表しているそうです。つまり、アフリカを象徴する存在であるということ。

このラスタカラーと関係が深いのが「ラスタファリズム(Rastafarianism)」。

ラスタファリズムはジャマイカ発祥で、1930年代のジャマイカの労働者の間で発生した宗教運動です。

簡潔に表現すると、一種の「アフリカ回帰運動」です。ジャマイカの黒人たちは元々アフリカで暮らしていたので、アフリカへの回帰願望は自然なものです。

ジャマイカでは奴隷状態で搾取され続けたので、黒人たちの自由の楽園としてアフリカ大陸が想定されたのでした。ユートピア思想の側面も強そうです。

このあたりは波照間島の「パイパティローマ伝説」と通底する心性を感じました。・・・また離島好きの性ですね。今いる世界は地獄だけれど、地上のどこかに素晴らしい楽園があってそこへ行けば救われるという空想。

実際はアフリカも貧しい土地なので、決して楽園という訳ではないのですけど。「仮想された楽園」と表現すべきかも知れません。

ジャマイカの黒人民族主義指導者であったマーカス・ガーベイという人が「黒人の王がやがてアフリカに現れ、救世主となる」と予言めいたことを言っていたそうですが、それが直に本当の話になりました。エチオピアにハイレ・セラシエ1世という黒人の王が誕生したためです。

このハイレ・セラシエ1世はイエスの生まれ変わりとされ、黒人解放の救世主として崇拝の対象になりました。なぜイエスの生まれ変わりなのか論理的には意味不明ですが、宗教とは得てしてそういうものです。実は古代イスラエルは黒人の国だったという珍説も根拠になっているそう。

このハイレ・セラシエ1世の本名は「ラス・タファリ・マコンネン」。この皇帝の本名が「ラスタファリズム」の由来になっています。

ラスタファリズムはキャラが立った宗教で、色々と珍しい特徴があります。

アイタル・フード(「アイタル」は英語のvitalのジャマイカ訛りだそうです。つまり活力が出る食事。菜食主義が特徴)

ドレッドヘア(聖書では自分の体に刃物を当てることが禁止されているそうで、髪の毛も体とみなして切らない。ドレッドにすると髪の毛が短くなるそうです)


http://blog.livedoor.jp/umeumegamugamu/archives/2014-11.html

 

大麻(宗教上神聖な存在だそうです。単なるドラッグではない)

そして一番有名なのは「レゲエ」です。

 

 

レゲエと言えば、この人。「ボブ・マーリー(Bob Marley) 1945-1981」です。

と知ったかぶって書いてみましたが、私はつい最近までこの人のことをろくに知りませんでした・・・苦笑  もう40年近く前に亡くなっているので、世代でなかったことが原因かな。いや、ただの世間知らずですね。

ボブ・マーリーが生み出したレゲエは、ラスタファリズムの影響を濃厚に受けています。というのも彼自身がラスタファリアンであったため。

Buffalo soldier」はアメリカ南北戦争で戦争に利用された黒人兵士を歌ったもの。バッファロー・ソルジャーとは黒人兵士を指す言葉です。歌詞に「アフリカから連れてこられ、アメリカで戦わされた」という節があります。意図せずに楽園から連れ出され、戦争という地獄に連れ込まれた黒人たちの悲惨を歌ったもの。

I shot the sheriff」は正当防衛で警官を殺害したのに、追われる身となった黒人の悲しみを歌ったもの。

歌の内容はそんなものが多いです。ただのリズムの良い歌ではなく、ラスタファリズムがボブマーリーの歌の魂であったため、世界中で受け入れられたのだろうと思います。

 

⬛️海も美しいジャマイカ

 

モンテゴベイではワゴンをチャーターして、かなりの人数で市街を観光しました。

 

こちらはジャマイカの海。

さすがは南の島。とても海が綺麗です。ジャマイカはリゾート地として西洋人の間では人気がある土地。

 

 

淡い色のエメラルドの浅瀬が島の沿岸に続いています。カリブの海はこれが初めてなので、とても感慨深いものがありました。

ここジャマイカに限らず、カリブ海の島々のビーチは世界の指折ビーチにランクインされている所が多いです。カリブの島々は絶景ビーチの宝庫ということ。

 

 

波照間島のニシ浜は日本で一番美しいビーチだと常々思っていましたが、そこに匹敵するほど。つい日本の離島の海を思い出してしまうのは、離島好きの性。

「波照間島のニシ浜か!」と思わずツッコミを入れてしまいました。地理的には隔絶していますが、雰囲気もそっくりです。

上に写真が波照間島のニシ浜。どちらが綺麗かな。遜色つけがたいと思います。

 

⬛️ボルト製!? 「ウサイン・ボルト」の像

 

陸上短距離で世界に名を轟かせた「ウサイン・ボルト」の像を見かけました。ボルトの出身国はジャマイカです。

なんとボルト(金属の丸棒)が組み合わされて出来ているんです。ただの言葉遊びに止まらず、本当にボルトで像をつくるとは驚きです。ジャマイカ人は洒落好きなのかな。面白いです。

 

⬛️商店街は危険地帯?

 

 

ツアーでは商店街に連れて行ってもらいました。ちなみに「危険地帯なので立ち入らない方がいい」とされているところです・・・笑

当たり前な事ですが、周囲にいらっしゃるのは皆黒人。ドレッドヘアの方も多数。

こんなところ生まれて初めてやってきたので、少し緊張しました。外国人がやってくるのは珍しいのか、私たちにも好奇の視線が注がれます。

「White people」と誰かが囁くのを耳にしました。我々は白人ではなく黄色人種なのですが、確かに彼らに比べれば「白い」のでしょう。日本人や東アジア人はおそらくさらにここには来ないだろうから、馴染みがなさそうです。

確かに治安が良さそうには決して見えないので、少し見学すると早々にワゴンに戻りました。

 

 

ガイドをしてくれたおじさんがマンゴーを買ってくれました。追加料金などなしで。

ジャマイカではぼったくりタクシーなどもあるそうですが(他のグループでは被害にあったりしたと聞きました)、この人はいい人で助かりました。

 

⬛️ジャマイカ名物「ジャーク・チキン」

 

 

今では世界中に広まっている料理である、ジャマイカ名物「ジャーク・チキン」も食しました。

炭火でじっくり焼いている光景が見られます。あたりは肉の焼ける香ばしい匂いで充満してます。

 

 

スパイスが効いていて、若干辛いですが本場で食べるととても美味しかった。ケチャップやマスタードなどもつけると、なおいけます。

写真に写り込んでいるビールは、ジャマイカで人気の「レッドストライプ」。薄味で飲みやすいビール。パンは、おじさんがサービスで買ってくれました。焼き立ててこちらも最高。

 

⬛️レゲエ・ライブ

 

 

夜は船上で、現地のレゲエ・ミュージシャンによるライブが開かれました。ジャマイカでは人気のグループだそうです。

本場ジャマイカで生のレゲエ・ライブが聞けるとは、とても珍しい体験でした。

ボブ・マーリーの名曲も披露してくれました。

ラスタファリズムについて知り、そして黒人がかつてこの地で味わった悲哀に思いを馳せると、レゲエもまた違った趣も見せるようです。レゲエとかこれまで関心の外にあった存在だったけれど、今回のジャマイカ旅で色々なことを知られて良かったと思いました。

 

最後にボブ・マーリーの名曲を聞いてもらって、レゲエと現地の雰囲気をシェアできれば良いかなと思い、貼ってみました。

離島ナビ

http://ritou-navi.com

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