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コロナにて京都市街が“秘境化”!これが本来の京都の姿なのかも知れない。

2020年、それは人類にとって忘れられない年になりそうです。何故なら、新型コロナウイルスが地球を席巻し、世界を混乱の渦へと陥れたからです。通称、“コロナ禍”。

当然ながら、日本の一都市である京都も、コロナ禍の甚大な影響を被ることになりました。この古都へと雪崩のように押し寄せていた外国人観光客たちの姿は嘘のように消え、日本人さえも訪れなくなり、街からは嘘のように人がいなくなりました。

6月に緊急事態宣言が解除されると、私はこの街に多く存在する名所へと、あちらこちらへと足を運びました。長らく京都で暮らしていた身ですが、世界的な観光都市・京都がこのように静まり返っている姿を目にしたことはなかったように思います。

それは新鮮な光景でしたが、もしかしたらこれが本来の京都の姿なのかも知れないとも感じました。京都では“オーバーツーリズム”と呼ばれる現象が問題になっておりまして、観光客があまりの多さから、住民たちの生活が圧迫されたり、交通障害に悩まれているのです。コロナ禍の副作用とでもいうか、それが一時的にでも完全に解消されたのです。普段は人だかりができてテーマパークの如き雰囲気を醸している名所が、静まり返っていました。それがなんだか京都の者としては清々しく、いつもはいかないような様々な名所へと足を運び続けました。

6月頃(緊急事態宣言解除後)の京都の姿を、その時に撮影した写真を交えて紹介していきたいと思います。珍しく静まり返った京都の姿をとくと堪能して下さいませ。まだ行かれていない名所があったら、今はまだ行きどきかも知れません。なにせ外国人観光客が途絶えておりますので。“日本人の京都”が戻ってきております。

 

◾️金閣寺

 

 

京都といえば、まず連想される代表的な名所の一つ、金閣寺。ここにも、嘘のように人がいませんでした。

 

 

静まり返っています。この金閣寺の“独り占め感”は、まず味わえません。現実の出来事とは思われないほどです。

 

 

鳳凰も何故か普段よりも遥かに凛々しく見えます。不思議不思議。

観光客が極度に減ると、ここまで空気感が変わるのかと思い知ります。いつもとは別のところの如く上品な金閣。

この頃しか目に出来なかった光景。行かないのは勿体無いと思いました。

 

◾️伏見稲荷

 

 

京都駅から近いので、外国人から大人気の伏見稲荷。ここにも人の姿はまばらでした。

普段は、絶え間なく人通りがありますが、この時は人がいない鳥居の並びを撮ることが出来ました。まるで露払いをしたかのよう。

 

 

前回訪れた時はテーマパークのようになっており、雰囲気も荒れている感じがしたのですが、場が清まっている印象を受けました。

 

 

このあたりも浮世離れした静寂な空気感が。張り詰めています。伏見稲荷って聖域だったんだと、改めて気がついた思いがしました。

神社なんで聖域に違いないんですけど、観光スポットであると勘違いしておりました、いつの間にか。

 

 

うーん、すごい。人がいなくなるだけでこんなに変わるものだとは思いませんでした。

 

◾️渡月橋

 

 

朝の桂川(嵐山付近)です。人の姿はありません。河原なので、普段ここに人がいることは少ないとは思いますが。

普段は車や歩行者、人力車などで大賑わいの渡月橋が静まりかえっていました。渡月橋は京都の中心地。もう現実の京都ではなく、パラレルワールドにやってきたのかも知れないと疑い始めました。

人がいない京都ってこんなに観光しやすいんだと、心底思い知ったのはこの橋を訪れてからです。

 

◾️南禅寺

 

 

有名な南禅寺の水道橋。観光スポットであるはずのこちらにも人の姿はなく、いつもとは一風変わった空気感を醸しています。

 

◾️二年坂

 

 

東山でも随一の名所であるこちら。やはり人影はありません。本当にここは、京都? ありえない状況です。信じられない! やや不気味でさえある。

お店もシャッターが下ろされている事が多いです。破綻しないかが心配です。軒並みのお店もシャッター通りと化しており、大丈夫かと心配になる始末。

 

 

疫病退散の神、「アマビエ」をモチーフにしたステッカー。がんばろう神戸やがんばろう東北はこれまであったけど、「がんばろう京都!」を目にする日が来るとは思わなかったなあ・・・苦笑

 

◾️下鴨神社

 

 

世界遺産・下鴨神社。糺ノ森もとても清まっています。ここは普段から神秘的な雰囲気がありますが、いつも以上に冴えています。精霊でも住んでいそう。かなり京都の街中にあるんですけどね。左京区の、鴨川が合流するあたりです。

下鴨神社は普段訪れる機会もなかったのですが、コロナでどうなっているか知りたく思い足を運んだので、良い機会になりました。

赤鳥居が良い味を出しています。

 

◾️京都大学

 

 

京都の学問の府・京都大学にも、学生の姿はなし。学生は大学にも行けずに、何をしているのかなあ。

ただ風景としては、素晴らしいです。写真撮影にはふさわしい時期ではないでしょうか。

 

◾️京都市京セラ美術館

 

 

京都市京セラ美術館。もともとは京都市美術館だったのですが、京セラ美術館として6月にリニューアルしました。本来は4月にオープンする予定だったのですが、コロナの影響でこちらも延期されたのです。全てをコロナがなぎ倒していきます。せっかくの新装開店というのに、やはり人通りはありません。ここまで来ると、ちょっと不気味です。

 

 

密にならないように入場制限がかけられていたので、まるで神殿のように静まっています。

 

 

透明の茶室は目玉スポットなので、こちらも見に行ってください。

新生した京都市京セラ美術館は、以前と似ているようでもあり、でも違います。非常にお勧めスポットです。空いている今がおすすめ。

 

◾️銀閣寺

 

 

金閣と並び称せられることの多い、慈照寺銀閣。

こちらも人の気配はまばらでした。人が少なくなると、なんだかどこの寺社にも聖なるオーラが漂うように思います。

実はこの清涼感は、元々は存在しているものなのかもしれません。それが普段は混雑によってかき消されているだけだった! つまりはこの頃の京都こそが本来の京都?

銀閣って、こんなに美しかったのだと改めて思いなおしました。金閣よりも銀閣の方が素敵に見えてくると年を取った証拠と言われる(かどうか知りませんが・・笑)ように、自分も年を重ねた事を実感いたしました。

 

◾️マンガミュージアム

 

 

隠れた人気スポット。京都マンガミュージアム。

 

 

密にならないように、椅子も斬新な配置に。なんだか拘置所のような感じ(?) おかしな風景です。

 

 

絵本スペースも入場禁止です。開館しているのに、半ば閉館しているような状況でした。

 

◾️無隣庵

 

 

山県有朋が造営した、隠れ名所、“無隣庵”

初めて訪れた場所ですが、こちらも静まり返っておりました。

 

 

東山を借景にして、電信柱など見えないように絶妙に庭園管理がなされているそうです。ジブリ映画にでも出てきそうな、ほのぼのとした雰囲気が魅力です。

 

 

苔が有名なので、苔の室内展示もされています。

 

◾️瑠璃光院

 

 

八瀬で近頃人気急上昇中の、瑠璃光院(るりこういん)

こちらは、コロナ中にも関わらず人だかりが非常に多かったです。“インスタ映え”するからでしょうか。若い女性が非常に多かった印象でした。

コロナでなければ、もっとテーマパーク化が進んでいるでしょう。

 

◾️三室戸寺

 

 

宇治の“あじさい寺”として有名な三室戸寺(みむろとじ)。緊急事態宣言解除後の6月はちょうど紫陽花シーズンでしたので、ジャストタイミングでした。

 

 

人混みはそれなりに多かった記憶があります。それでも外国人の姿がないので、比較的空いていましたが。

この時期は、とりわけ非常に華やかなスポットです。

 

 

紫陽花とは、こんなに品種の多いものだったのですね。カラフルです。

おとぎの国のように、何時までも佇んでいたくなるような、ファンタジックなスポットです。宇治なので、一般的な京都とは異なりますが、京都に来たなら足を延ばして是非とも訪れて欲しいお寺。是非とも6月に。

 

◾️愛宕山

 

 

調子に乗って、愛宕山にも登山してみました。愛宕山は、東の比叡山、西の愛宕山と言われるほどで、京都を代表する霊場として信仰の拠点でした。

こちらはいつも静まり返っていると思いますが、とても清浄で素晴らしいです。また登ってみたいなあ。体力的にはかなり大変だったけれど。

愛宕山の標高は924メートル。比叡山が848メートルなので、意外や意外、こちらの方が高いのです。

丁寧に築かれた古い石段が、愛宕山の重ねてきた歴史の深さを物語っているよう。こんな高いところまで石材を運んでくるのはさぞ大変だと思うのですが、古人を思わず尊敬したくなります。

愛宕山は京都以外の人にとっては馴染みの薄い場所だと思うのですが、穴場ですので、登山はとても御勧めです。清らかな心持ちになります。

 

◾️清水寺

 

 

京都といえば清水寺。その清水寺にも人の姿はまばら。

ただ有名な“清水の舞台”が、修繕の真っ最中。これでは、飛び降りることもできません。

 

◾️大原三千院

 

 

せっかくなので、大原三千院にも足を運んでみました。三千院は有名な寺院なので普段は京都市街から離れているにも関わらず人が多いですが、空いています。よって、極めて清浄な空気感が保たれております。

 

 

地面に広がる苔もイイ感じ。三千院は、どこか西洋的な印象があるのですね。ガーデンというか。正真正銘の日本のお寺なのですが、管理が行き届いてるからでしょうか。

まだまだ他にも訪れたのですが、とりあえずこのあたりで紹介を終えようかと思います。古都・京都の本来の姿が、コロナ禍によって一時的にですが取り戻されているように感じられました。今が京都観光のしどきであると、確信いたしました。

コロナで社会は大変な様相を呈していますが、物事には全てにおいて負しかないということはなく、京都観光をするにはもってこいの状況が生み出されていたように感じられます。まだ観光客が少ない今のうちに、コロナによって一時的な秘境と化した・京都を探訪されるのはいかがでしょうか?

※2021年現在は、観光客もかなり戻ってきました。それでもまだ昔のオーバーツーリズム状態と比べれば、空いているので良いかと思います。

 

離島・秘境ナビ

http://ritou-navi.com

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