利尻島=利尻岳!?日本百名山・利尻富士に海抜0メートルから登ろう!!
こんにちは! ドクターリトーです。今回の記事では、北海道の利尻島(りしりとう)について書いてみたいと思います。
今日も京都は暑いですが、こんな日でも北海道の最北に位置する利尻島はそれなりに涼しいことでしょう。
【利尻島情報】
《アクセス》稚内駅から、稚内フェリーターミナルへ。そこからハートランドフェリーに乗船。もしくは札幌空港から飛行機で利尻空港(1日1便)
《宿泊》旅館、民宿多数。ただ冬季休業の宿泊施設あり。
《食事》スーパー、コンビニあり。食堂もあります。あまり困らないかと。
◾️「一つの島であり、一つの山」 構造的に、極めて珍しい利尻島!
利尻島、こんな形をしています。形としては楕円に近いでしょうか。そして島の真ん中に高い山がそびえています。この山が利尻岳(利尻山)です。
利尻岳は、利尻山にある唯一の山です。というのも、「利尻島=利尻岳」だからです。この島は、島であると同時に山でもあるのですね。「一島一山」という珍しい島なのです。
ちなみに鹿児島県の屋久島も島全体が山のような感じなのですが、屋久島に関してはいくつもの山が連なる「連峰」というものなのですね。この島とは違います。
深田久弥という有名な登山家にして文筆家がかつて存在したのですが、彼は「日本百名山」というタイトルの本を書き、利尻岳は百名山の一つとして取り上げられています。
◾️「日本百名島」
そういえば、最近面白い本が出ました。日本百名山、もしくは日本百名湯になぞらえたタイトルだと思われる、「日本百名島」という本です。日本で訪れるべき100の島を選定したものです。
こんな本です。私も一冊持っております。筆者は、加藤庸二という人。日本の有人島、一島も欠かすことなく全てを隈なく回って写真に風景を収めた偉大な写真家です。離島のエキスパートというべき人です。
「日本百名島」、是非一度読んでみてください!
一島ごとに詳しい解説がされています。面白いのが、普通の方法、つまり民間会社の運営するフェリーでは行けない離島なども選んであるのですね。普段は船が出ていない離島であったり、もしくは自衛隊しか入ることができない離島だったり。
そしてこの日本百名島の中には、もちろんこの利尻島は選ばれています。
百名山であると同時に百名島。これが利尻島です。
◾️海から眺める利尻富士
利尻島、海から見てもシルエットが非常に美しいです。海から眺めた時の離島のシルエットは、言わば島の第一印象とも言えるので、私は結構大事だと思っていたりします。
海から山が直接そびえているように見えます。頂上がいい感じにとんがっているし、こんなに美しいシルエットの島は、日本でもそうありません。
島に上陸してみても、どこからでも利尻岳がうかがえます。「利尻富士」という別名がついているのも納得の風景。
ところで日本百名山に選ばれた山の中で、唯一利尻岳だけにある特徴があります。それは、海抜ゼロメートルから登ることができる、という点です。もちろん、利尻岳がそのまま利尻島であるからですね。利尻島の海岸線が、利尻岳の標高0メートルということです。
◾️ライダーハウス、眉倶楽部
その前に、私はある島の宿について触れなければなりません。利尻島のちょうど真北の方角、鴛泊(おしどまり)港の近くにある、「ライダーハウス 一膳飯屋 眉倶楽部」です。
「一膳飯屋」という名からも分かるように食堂でもあるのですが、宿もされているんですね。
僕は昼食を食べにいったのがこの店を訪れたきっかけでしたが、マスターの勧めで宿泊することになりました。
それが、なんと2泊で、食事が全てついて、5000円という破格の安さ!!
マスターは半分趣味でこの宿をされていて、利益を出そうとはされていないようでした。私が学生だったので、きっとまけてくれたのでしょう。
このマスターが、すごい面白い人なんですね。元々は東京でバーを経営されていたのですが、ある時利尻島に移住して、以後ここで宿をすることにされたようです。騒々しい東京に愛想を尽かされて、平和な北の離島で安らぎを得ようとされたのかも知れません。マスターは、とてもダンディーな雰囲気のおじいさんでした。
これが一膳茶屋の名物の「タコカレー」です。美味しいのですよ、これが。
この時宿には宿泊者は他にいなかったので、夜はマスターと色々と話しました。マスターの東京時代の恋物語を聞いたり、そして島の高山植物をイメージしたオレンジ系のカクテルを作ってもらったり、本当に楽しい思い出になりました。
◾️海抜0メートルから登る、利尻富士
このマスターに「利尻島に来たなら利尻岳に海から登ってみなさいよ」と言われました。もともと登山する予定はなかったのですが。そしてマスターに、私を海岸の磯へと連れていかれましした。
マスターいわく、この磯が利尻岳登山の出発地点だそうです。確かにそうなのです。島全体が山に当たるので、ここが利尻岳のゼロメートル地点な訳です。
利尻岳、海抜0メートルから登ることができる、まことに珍しい山。
◾️甘露泉水
こうして、利尻岳登山が始まりました。磯から島の内側へ向けてしばらく歩くと、森に行き着きました。森の中には、「甘露泉水」という、利尻の名水として有名な泉が湧き出していました。
途切れることなく、こんこんと湧き出しています。周到なことに飲むためのコップも用意されています。
登山には水分が必要なため、ペットボトルに水をたくさん詰め込んでおきました。
◾️利尻富士の豊かな自然と絶景
夕方までに帰らなければならないので、どんどんと登っていきます。山の中腹は、深緑の森で覆われています。エゾマツ、トドマツといった北海道本島にも広がる針葉樹林が、ここ利尻島にも広がります。
普通、島旅の最中に登山をすることはないので、ここが離島だということをつい忘れてしまいます。海をふと眺めて、「あっ、ここ島だったわ」と思い出す感じですね。
すぐ隣に浮かぶ礼文島(れぶんとう)も、綺麗に見渡せます。
◾️高山植物の楽園
少しずつ山頂へ向けて登っていくと、風景が次第に移り変わり、高山植物の生えるのどかな風景が広がるようになります。
高度が高くなったので、エゾマツやトドマツがもはや生えない地帯にたどり着いたようです。利尻島は標高の高い山で、高度差が激しいので、上へと登っていくにつれて植生が変わっていくのです。
山頂近く、高山植物のお花畑です。まるで天空の楽園のようです。
◾️ついに山頂へ
そして9合目から、最も登山が難しいエリアにさしかかります。ここは岩肌が柔らかく足場が悪く、坂を滑って転んでしまいそうなほどです。備え付けられたロープにつかまらなければとても登ることができません。
難所を乗り越えると、とうとう山頂へ・・・。
山頂、1721メートルにたどり着きました。
海抜ゼロメートルから登っているので、きっちりと1721メートル登った計算になります。我ながら、よく頑張りました。
◾️利尻富士に是非登ろう!
利尻富士には是非登ってみて頂きたいです。
ゼロメートルから始まる登山。本土の普通の山ですと、まずこうはいきません。「離島登山」はなかなかできない経験です。
また利尻山は非常に形の良い山で、ふもとから眺めても、美しいことこの上ないです。
夏の利尻山は一面森に覆われていますが、冬は真っ白に雪化粧します。まさに対照的。
ちなみに眉倶楽部は、マスターが高齢なのでもうそろそろ閉めようかと泊まった時は言っていましたが、もう閉店しているでしょうね。懐かしい思い出です。