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要塞城壁は圧巻!マルタ島の世界遺産・ヴァレッタの街を適当に歩き回った話。

こんにちは、ドクターリトーです。今回の記事では、地中海はマルタ島のヴァレッタについて取り上げたいと思います。イースター島、サントリーニ島に続く「海外の島」、第3弾になります。マルタ島を含むマルタ共和国は、世界でも最も小さな国の部類に入る「ミニ国家」としても有名です。要塞都市であったヴァレッタは城壁など色々と魅力のあるスポットなので、お楽しみに。

 

⬛️マルタ島とマルタ共和国

 

マルタ島は地中海のほぼ真ん中に浮かぶ島。イタリアのシチリア島から少し南下したあたりです。

面積は面積246平方キロ。日本の離島と比較すると奄美群島の徳之島(246平方キロ)とほぼ同じです。

マルタ島を含む、ゴソ島、コミノ島という小島を含めて3つの島で「マルタ共和国」という一つの国になっています。

 


http://www.japan-malta.com/midokoro.html

 

このマルタ共和国という国は、「ミニ国家」として有名です。国全体の面積は316平方キロ。これは東京23区の半分の大きさだそうです。本当に小さいですよね!

世界の小さな国の中では第10位だそうです。マルタより小さい国が9つもあるのが逆に驚きかも。9位はインド洋のモルディブ(300平方キロ)だそうです。

人口は約40万人。これは日本の都市では長崎市や富山市などに相当する規模。県庁所在地くらいの人口規模で、一つの国を成しているとは日本の感覚ではちょっと信じられません。選挙でも一票が国政を本当に左右しそうですね。これくらい小さな国がマルタです。

中世はマルタ騎士団(聖ヨハネ騎士団)が領有する、キリスト教世界の防衛の拠点でした。また近代では長く英国の支配下にあったので、イギリス文化が浸透していて地中海なのに英語が公用語だそうです。英語が話せると、旅しやすい国です。

ラテン系であるはずの地中海の真ん中に、アングロサクソンの英国文化が浸透している国があるという不思議なギャップがこの国の特徴であると言えるでしょう。

 

⬛️マルタに海から「入国」。城塞都市のお出迎え

 

 

船は朝方マルタ島のすぐそばにまで進んでいました。

目の前には、なんと・・・お城? そう、マルタ共和国の首都である「ヴァレッタ」の城塞都市です。

 

 

マルタ共和国は前述の通り、中東やアフリカに勢力を拡大していたオスマントルコに対抗するキリスト教世界防衛の最前線でしたので、堅牢な城塞が築かれました。21世紀の現代においても、ほぼそのままで残っている部分が多く当時の面影を色濃く残しています。

 

 

飛行機でマルタに入国するとこの城塞を眺められる機会はないと思うのですが、船にて入国するとたっぷりと世界遺産ヴァレッタの城塞を見学する時間があったので、とても良かったです。

 

 

オーシャンドリーム号のクルーズの中でも、このマルタの入港風景は抜群に素晴らしいものでした。どうやったら、こんなに精巧で美しい街ができるのでしょうね。

 

⬛️ヴァレッタぶらぶら

 

船が入港したので、さっそくヴァレッタの散策を始めることにしました。

ヴァレッタはなにしろ城塞なので、巨大な堀を地盤を削って造成し、防衛がしやすいように工事がなされたそうです。

 

 

城塞の上部へと向かうには、設置されたエレベーターが便利。無料という訳ではなく、1ドルかかります。

中世の城塞と現代ノエレベーターがミックスされた奇妙な風景です。

 

 

城壁の頂上からは、海の向かいの光景も見渡せます。こちらも劣らず素晴らしい景色。

ヴァレッタは、マルタ島の入江のように窪んだ部分の中で半島上に突き出している部分に造られた街です。だから対岸にも街が広がっているという訳ですね。

敵への威嚇用の大砲が並べられています。現在は攻められる心配はないので、一種のアンティークかな。マルタ大包囲戦の頃は、現実にこうして街を守っていたのでしょう。

 

⬛️ヴァレッタの外へ出て、「フロリアーナ」へ

 

世界遺産・ヴァレッタの街並みは半島上の地形のごくわずかな部分だけなので、すぐに外側に出ることができます。外側はフロリアーナという別の街。

ヴァレッタとフロリアーナの間には深い堀が横たわっています。こちらは前述しましたが、防衛用に掘り込まれたもの。

現代では堀の下側は駐車場として利用されているようです。よく考えたものですね。

 

 

もしくは街路樹の植え込まれた散策路になっていたり。

 

 

こちらの橋を渡ると、フロリアーナ。フロリアーナもまた都会のように見受けられます。

マルタは小国の割に人口が多いので、相当人口密度の高い国であると言えます。1300人/㎢だそうなので、日本(330人/㎢)の約3倍というところです。凄い混雑した国ですので、都会になっているという訳ですね。

 

⬛️「動く銅像」?

 

 

橋を渡ったところにある広場に、不思議な「銅像」が座っていました。

 

 

上の二つの写真、掲げた右手のポーズが微妙に変わっているのが分かるでしょうか?

おじさんが体に粉をふりかけたりペイントして銅像に扮して座っているのです最初は本物の銅像だと思っていたので、動いた時は正直かなりビビりました。気にしない通行人は、本当に銅像だと思い込んでいたのではないでしょうか。それくらいクオリティが高いものでした。

観光地でありがちな投げ銭用の缶なども用意されていなかったので、本当に趣味でやっていたのだと思います。相当な奇人ですね・・・笑 マルタ人、面白いです。

 

 

フロリアーナにも立派な教会がありました。

 

 

車が潜り抜けられるようになっている城門。すぐにヴァレッタの方へと引き返したのでそれほど観光しなかったのですが、フロリアーナも面白そうなところです。

 

⬛️再びヴァレッタ散策。街の「生みの親」の騎士

 

 

このような銅像を見かけました。短剣を穿いていて中世の騎士そのものの風貌。右手にはなにか手紙のようなものを握りしめています。これは誰なのでしょうか?

「ジャン・ド・ヴァレット」という人だそうです。ヴァレッタと似た名前ですね。

彼は聖ヨハネ騎士団総長をかつて務めた人物で、1565年のオスマン帝国の「マルタ大包囲戦」では、兵数では遥かに劣るにも関わらずオスマン軍の撃退に成功したという偉大な功績があります。当時強大であったオスマン帝国を退けられたことは奇跡的なことでした。

彼の名をとって、「ヴァレッタ」と街は名づけられたそうです。つまりこの街の生みの親と言えるでしょう。

 

 

色々な銅像が多いのがヴァレッタの特徴です。

この一風変わった銅像は、趣旨がよく分かりませんでした・・・笑

 

⬛️狭い路地には路上駐車がし放題

 

 

マルタの街中の風景はこんな感じ。中世に造られた街がそのまま利用されるので道が狭いのが特徴です。

この狭い路地に、路上駐車がし放題。しかも両側・・・笑

取り締まろうにも、駐車場を造るスペースすらないのかも知れません。現在の日本ではありえない光景です。しかしこの道、どうやって車がすれ違うんだろう。謎です。

 

 

街は坂が多いので、階段も必然的に多くなります。

どこを歩いても、古の雰囲気が漂っているのがヴァレッタの街。ただ歩き回っているだけでも世界文化遺産登録されたことを納得してしまいます。そんな風格が街中に満ちています。

 

 

カラフルな色に塗られた「出窓」は、ヴァレッタの建物の大きな特徴。

本当に素晴らしく景色が美しい街で、もうこの街に住みたいと思わせるほどです。実際に住んだら、色々と欠点も見えてくるのでしょうか。

 

⬛️街中の資料館。ヴァレッタの模型

 

街中に小さな資料館があり、ヴァレッタの街の模型を見学することができました。

 

 

こちらは半島の先端にある「聖エルモ砦」の模型。ヴァレッタの守りの要です。

もともとヴァレッタの街が建設される前、この砦だけがあったそうです。1565年の大包囲戦の頃ですね。

ヴァレッタの心臓部です。

 

⬛️マルタ大学

 

 

こちらの建物の入り口のガラスは「University of Malta」と刻まれていました。つまり、「マルタ大学」。

こちらが構内。まるで日本の都心の大学のよう。あまりキャンパスぽくないですが、街が混み合っているマルタでは大きなキャンパスを設けることはできないのでしょう。

マルタには主だった産業が観光くらいしかないため、未来の国を背負う人材を開発するために教育に力を入れているそうです。

 

⬛️軍事博物館

 

ヴァレッタは歴史の深い街なので、街中には資料館や博物館や壮大な教会など、観光スポットが多数あります。

その中の一つが、こちらの「軍事博物館」。中世の色々な武具が勢揃いしていて、私のような日本武士の甲冑などしか目にしたことがない者には、とても物珍しいものでした。

 

これはいわゆる「ボーガン」という代物か。

 

 

ちなみに聖ヨハネ騎士団に所属する騎士たちは、皆貴族の子弟だったそう。相当身分が高くなければ入団することができないエリート集団だったのです。決して雑兵だった訳ではありません。

貴族の子弟たちが率先して血を流して、国や街を守るために力を尽くす。騎士道精神とはこういうものなんですね。

 

⬛️騎士団長の宮殿

 

軍事博物館のすぐ近くにあるのは、「騎士団長の宮殿(State room)」です。

騎士団長とは、かつてのマルタでは最高権力者、大統領のような存在だったことでしょう。だからその宮殿となれば、豪華絢爛に決まっています。

 

 

天井まで美しい絵で満ち溢れておりますね。

 

 

こちらは、騎士団長の椅子。描かれているのは、マルタ騎士団の紋章です。

 

 

宮殿の全景はこんな感じ。中央が中庭になっています。

宮殿は二階建てて、時計台の部分(1枚目に掲載した写真)だけが突出しています。

 

 

マルタの歴代の大統領の名前を記した石板も。

大統領の名前が記されているということは、この宮殿が政治的な中心場所であった証左でしょうね。

 

 

一通りヴァレッタを散策したので、船に帰還しました。

ヴァレッタでは(時間とお金の相談上)大聖堂など訪れなかったスポットもまだまだ多いですし、またいつか訪れてみたいなあと強く思いました。そしてヴァレッタはマルタ島のごく一部なので、他のエリアは未知の世界です。

少しは参考になりましたでしょうか。ヴァレッタ散策記録でした。

離島ナビ

http://ritou-navi.com

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